映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『へレディタリー/継承』ネタバレなしの感想。亡くなった祖母から忌まわしい”何か”を継承した家族を描く

投稿日:

■評価:★★★★☆4

「継承の恐怖」

【映画】へレディタリー/継承のレビュー、批評、評価

『ミッドサマー』のアリ・アスター監督のデビュー作。
「直近50年のホラー映画の中の最高傑作」「21世紀最高のホラー映画」と評された大ヒットホラー映画となる。

亡くなった祖母・エレンから忌まわしい“何か”を受け継いでしまった家族を描く。
家族が祖母から受け継いだものは一体なんなのか。

ミニチュア模型アーティストのアニー・グラハムは、疎遠だった母エレンを失い、グループ・カウンセリングに参加するようになる。カウンセリングの席で、母の解離性同一性障害、父が精神分裂病で餓死した末路、兄が極度な被害妄想による自殺、自身の夢遊病の悩みを告白する。アニーは、自身が持つ、先天的な精神疾患がいずれ自分の子供たちが発病することも危惧していた。ある日、息子の高校生ピーターが友人宅のパーティーに参加するため、アニーに車を借りる。アニーは飲酒させないため、13歳の娘でピーターの妹チャーリーの同伴を条件に了承する。パーティーではチャーリーがアレルギーであるナッツを食べてしまい、アレルギーが発生。急いでピーターは病院に連れていくが、悲劇に見舞われる。

すっかり圧倒されてしまった。
観終わったあとはぐったり。凄い映画体験をさせてもらった。

作り込みが素晴らしく、何もかもが緻密で驚かされる。
例えば演出面。
とあるシーンで、とあるキャラの表情のアップが1~2分間ほど流され続ける。
とんでもない強気な演出である。

一見、同じ映像をずっと観させられたら飽きると思うかもしれない。
だが一切そんなことはない。
むしろキャラの表情に釘付けになること必須である。

なぜなのか。
理由はシンプルで、次に切り替わるシーンが気になって仕方ないからだ。
つまり、このシーンは次のシーンのためのフリである。
上手く、観客の心理をついた演出でお見事すぎる。

他にも、キャラクターの演技は迫真の連続。
役者たちは本作の撮影に当たって、かなりのエネルギーを消耗しただろう。
特に主演のアニーを演じた女優さんは五キロくらい体重が減ってそう。
そのくらい大変な目に遭っている。

直接的な表現が少ないのも印象的。
セリフであったり、ストーリーだったり、説明が少なく、描写だけで見せるケースが多い。
実に映画的でよかった。

ただし、観客が何が起きているのかを、常に頭を働かせながらの鑑賞を要求される。
何ならあまりに説明が少ないせいで、クライマックスは何が起きてるのかが分かりづらい。
wikipediaにざっくりとしたネタバレのあらすじが書かれているので、鑑賞後にチェックするといい。

相当にこの監督、映画をたくさん見て、研究してきたのではないか。
映画に対する拘りが画面の節々から伝わってきて、圧倒されっぱなしだった。

ストーリーは特に中盤以降、霊能力者の下り以降は画面に釘付け。
謎の現象に見舞われ、裏で何が起きているのか知りたい欲求が最大限に高まる。
エンドロールまであっという間。
まるで時間が圧縮されたような気分だった。

肝心のネタ晴らしの趣向も私としては好き。
上手くまとめてくれたので、最高に気持ちの良い鑑賞後感である。

登場人物の顔がいちいち癖があって笑える。
主人公のアニーにしても、娘にしても、妙な不気味さがある。
息子の同じクラスの好きな子は正統派の可愛らしい女子なので、あえて、一癖ある役者を配置させている。
映画好きっぽい采配である。

伏線まみれで謎解き要素も強い。
雰囲気も最高だったので、もう一度観たい。
なぜ、これほどまでに評価をされた映画なのかが納得である。

緻密に作りこまれた演出が恐ろしいホラー・スリラーの傑作はコチラ。

■聖なる鹿殺し

■ゲット・アウト

へレディタリー/継承の作品情報

■監督:アリ・アスター
■出演者:トニ・コレット アレックス・ウルフ ミリー・シャピロ アン・ダウド
■Wikipedia:へレディタリー/継承(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):89%
AUDIENCE SCORE(観客):67%

へレディタリー/継承を見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:-
※2020年8月現在

-⑤人生の節目

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。