映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

②金の羊毛

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』ネタバレなしの感想。NY郊外の館で、裕福な犯罪小説家が誕生日パーティの翌日、遺体で発見される

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「働かない子供たち」

【映画】ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のレビュー、批評、評価

アガサ・クリスティは1920年にデビューしたミステリー作家。
『アクロイド殺し』『そして誰もいなくなった』『オリエント急行の殺人』は世紀をまたいで版を重ねていて、なぜか日本でも最近、TVドラマとして制作されている。
私も前者2作を読了しているが、特に『そして誰もいなくなった』は謎が気になって一気読みした覚えがある。

本作の監督は『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン。
彼はミステリーがもともと好きで、2010年の時点で、「アガサ・クリスティの推理小説を思わせるようなミステリ映画を撮ってみたい」といった主旨の発言をしていた。
後に制作に至ったのが、本作である。

NY郊外の館で、裕福な犯罪小説家ハーラン・スロンビーが85歳の誕生日パーティーの翌朝、遺体で発見される。警察はハーランの死因を自殺と認定する。だが、正体不明の者が有名な私立探偵ブノワ・ブランを雇い、捜査を依頼していた。パーティーに参加していた家族や使用人、ハーランの面倒を見ていた看護師ら、全員が容疑者となる。

これぞ、THE・ミステリー映画。
ここまで王道のミステリー映画は久しぶりに見た気分。

小説では、ミステリーはファンが多く、今もなお、刊行され続けている。
だが映画、特にハリウッド製のミステリーはかなり珍しい。

減った理由の1つは、間違いなくCG技術の発達だろう。
CGをふんだんに駆使した派手な映像のほうが、巨大なスクリーンで映える。
一方でミステリーは基本、ワンセットの会話劇で物語が進むので、かなり地味な画である。
CMを打てば、ミステリーよりも、映像映えするCGアクション映画のが客は群がるのは必然である。

本作は、『スター・ウォーズ』の監督が『007シリーズ』で主演のジェームズ・ボンドを演じたダニエル・クレイグが探偵役としてタッグを組む。
豪華なミステリー映画である。

内容に言及するが、面白かった点の1つは、物語早々に犯人が判明する。
公式HPのストーリーの項目では隠されていたので、一応、伏せておく。

つまり、『古畑任三郎』ライクなストーリー構成である。
最初に犯人が判明し、徐々に探偵役にトリックが解き明かされ、犯人が追い詰められていくスリリングさのあるミステリー。
このようなスタイルを倒叙ミステリーと呼ぶ。
割と認知された構成ではあるので、ミステリーをそこそこ見てきている人は「何か一捻りあるんじゃないか?」と意識しながらの鑑賞になる。
結果はぜひとも観て確かめてほしい。

とにかくキャラクターが魅力的だった。
探偵のブランは登場時からクセが強い。
最初は息をひそめ、容疑者たちを取り調べる刑事たちの奥で、偉そうに椅子に座って足を組み、黙って聞き耳を立てる。
ある程度の情報を手にしたら、「次に行っていいよ」の合図で、ピアノの鍵盤をポロンと鳴らす。
顎ではなく、鍵盤で人を動かすとは変なヤツである。
さぞかし寡黙で、とっつきづらいロジカル思考な人間なんだろうと、観客は予想する。

だが、いざ立ち上がると、結構うるさい。
歌を歌うのに夢中になって周りが見えなくなる瞬間もある。
THE・漫画的な探偵、といった具合で面白い。

探偵に匹敵するほどに魅力的だったのは、容疑者の一人で最重要人物であるハーランの専属の看護師マルタ。
マルタは嘘がつけない。
嘘をつくと、なんと嘔吐してしまうのだ。
なんて可愛らしいクセなんだろうか。
化粧や服装も控えめで、まるで天使のように清廉な心を持つキャラクター。
ルックスも美しいし、非の打ちどころがない。

本作は登場人物がかなり多いが、問題ない。
本当に重要な人物は数人しかいない。
なので、その他大勢の家族たちの顔と名前は、完璧に一致しなくても大丈夫。

最後の展開も面白かったし、ミステリーとしての満足度は結構高かった。
こういう良質なミステリーは定期的に鑑賞したいところ。

続編も制作されているらしいので、ぜひとも鑑賞したい。

ミステリー要素の強い傑作はコチラ。

■へレディタリー/継承

■母なる証明

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密の作品情報

■監督:ライアン・ジョンソン
■出演者:ダニエル・クレイグ アナ・デ・アルマス
■Wikipedia:ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):97%
AUDIENCE SCORE(観客):92%

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密を見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:○(見放題)
※2020年8月現在

-②金の羊毛

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。