■評価:★★★★☆4
「負け犬の逆襲」

【映画】エクストリーム・ジョブのレビュー、批評、評価
韓国で歴代興行収入1位を記録し、観客動員数は歴代2位となる1,626万人を突破した。(2019年時点)
ケヴィン・ハート主演でハリウッドリメイクも決定している。
何の成果を挙げられず、解体寸前のコ班長率いる麻薬捜査班。ある日、国際犯罪組織による麻薬密輸の検挙指令が下り、コ班長は4人の班員を引き連れ、犯罪組職のアジト近くのフライドチキン屋に潜伏する。だが、チキン屋の主人は売上が乏しく、店を畳むと言う。捜査官たちは犯罪組織を24時間監視するため、店を買い取って、偽装創業を始める。ところが、絶対味覚を持つ班員の一人、マ刑事の才覚が発揮し、チキン屋は思わぬ大繁盛。店の切り盛りに追われ、捜査が後回しになる。そんな時、向かいの犯罪組織のアジトからチキンの注文が入り……。
めちゃくちゃ笑った。
序盤から、コ班長率いる捜査チームの突入捜査が描かれる。
ポンコツっぷりがあまりに酷い。
突入前にターゲットにすぐにバレてしまい、あっさりと逃走される。
その見つかり方が実に滑稽で、ダサさ大爆発である。
序盤で特に面白かったのは、逃げたターゲットが道路に飛び出して車を強引に止め、女性運転手を引きずり出すシーン。
観客はここで『奪った車をすぐに発進させて、逃亡するだろう』とイメージする。
だが違う。
女性運転手が思いのほか逞しく、「てめえ! 人の車、盗んでんじゃねえ」ってな感じで反撃され、今度はターゲットが引っ張り出されるのだ。
あまりに想定外過ぎる展開で笑ってしまった。
序盤のシークエンスで、本作は『普通の刑事ドラマをやる気がない』という制作陣メッセージを受け取った。
他にも面白いシーンは多い。
張り込みのために、ターゲットの向かいのチキン屋を買い取るが、絶対味覚を持つ捜査官が料理長を務めたために、店が大繁盛する。
一部の班員が張り込みよりも、むしろチキン屋への情熱を見せ始めるのだ。
思わず頭の中で突っ込んでしまう珍シーン。
チキン屋が繁盛したおかげでどんどん金持ちになったり、班長のチキン屋の問い合わせ電話を対応する際のセリフなどが特に好き。
何より本作で好感が持てたのは、最後までチキン屋を用いたボケをやり通してくれるところ。
当初は、てっきりチキン屋の下りは、ボケの1つ程度で処理されるかと思っていた。
だが、捜査とチキンや営業はギャップが効いていて、かなり面白い。
「できるだけチキン屋を引っ張ってほしい」「何なら捜査なんか忘れてチキン屋絡みで最後までストーリーを描いてほしい」と願いながら鑑賞していた。
だから最後のほうまで引っ張って、チキン屋を題材とした大喜利を楽しませてくれて凄く嬉しかった。
監督や脚本家はちゃんと観客の気持ちを理解しているのだ。
何気にアクションシーンも気合いが入っているのはびっくりした。
刑事ドラマではあるので、敵との闘いのシーンは何箇所か見られる。
どれも迫力のあるシーンに仕上がっていたので、見応えがあった。
ぜひとも、この映画はシリーズ化をしてもらいたいところ。
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エクストリーム・ジョブの作品情報
■監督:イ・ ビョンホン
■出演者:リュ・スンリョン イ・ハニ チン・ソンギュ イ・ドンフィ コンミョン シン・ハギュン
■Wikipedia:エクストリーム・ジョブ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):80%
AUDIENCE SCORE(観客):81%
エクストリーム・ジョブを見れる配信サイト
U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)、○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2020年8月現在