映画の海

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⑦なぜやったのか?

映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』ネタバレなしの感想。全世界待望の小説の翻訳のため、9カ国から翻訳家が集められる

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「愛する文学」

【映画】9人の翻訳家 囚われたベストセラーのレビュー、批評、評価

フランスの人里離れた村にある洋館に、9カ国から翻訳家が集められた。全世界待望のミステリー小説『デダリュス』完結編の翻訳本を世界同時に発売するために。違法流出を恐れた出版元が著者の同意のもと、9人を隔離して極秘に翻訳を行わせる計画である。9人は外出はもちろん、スマホは禁止され、毎日20ページずつ渡される原稿をひたすら翻訳していく。ある日、出版社の社長宛に「冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば、全ページを流出させる」という脅迫メールが届く。

てっきり脅迫してきた犯人を捜す、シンプルなミステリー映画だと思っていた。
本作で扱われる題材もミステリー小説の翻訳なので。
だが、中身は大量のどんでん返しにびっくりさせられるサスペンス映画。
規模の大きいどんでん返しが4つはあった。もっとあったかも知れない。

どんでん返しで有名な映画の1つに数えられる『ワイルド・シングス』。

『ワイルド・シングス』も、中盤以降は、半ばやけくそな感じでどんでん返しを連発する。
伏線を緻密に張って回収するタイプではなく、後出しじゃんけんのような軽薄などんでん返し。
本作も全く同じ感想である。

ただ、本作の面白いところは設定である。
ミステリー小説『デダリュス』は世界が熱狂するほどに話題となっているミステリー小説シリーズ。
流出を防ぐため、翻訳家は地下室に閉じ込められ、同時に翻訳をするという奇抜な設定。

良かったのが、ルールが徹底的に設定されている点。
作業は1日20枚。
作業時間は9時~20時。休みは日曜のみ。食事の時間も決まっている。
外出は禁止されているが、娯楽は屋敷内に潤沢に用意されている。
一生見切れないほどの映画、プール、ボウリングなど。
こういったルールにワクワクさせられる。

さらに驚きなのが、これが実話ベースの設定であるということ。
ダン・ブラウン原作の小説『ロバート・ラングドン』シリーズの4作目『インフェルノ』を刊行する際、作者の了承を得て、翻訳家を監禁して翻訳させたそう。
さすがに本作のような大きなトラブルには発展してはいないが、ユニークな趣である。

あと本が題材ということもあって、直接的表現のセリフが少ない。
洒落たセリフ回しに雰囲気はあるが、ちょっとストーリーが追いづらい箇所は気になった。
ところどころ集中力が途切れた。

もっと設定されたルールからアリバイを割り出して、犯人を探す推理シーンも欲しかった。
ルールがストーリーに絡んでおらず、設定が生かされていない印象があって残念。
推理シーンも少ないのも個人的には物足りない。
密室空間なので、探偵役を立て、推理によって犯人につながる情報が少しずつ提示される本格ミステリーの体裁で作ってほしかった。
あくまで個人的な趣向ではある。

とはいえ、鑑賞を始めた当初とは思ってもいなかった着地を見せるので、割と楽しめた。

どんでん返しにびっくりさせられる作品はコチラ。

■へレディタリー/継承

9人の翻訳家 囚われたベストセラーの作品情報

■監督:レジス・ロワンサル
■出演者:ランベール・ウィルソン オルガ・キュリレンコ アレックス・ロウザー
■Wikipedia:9人の翻訳家 囚われたベストセラー
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):60%
AUDIENCE SCORE(観客):-

9人の翻訳家 囚われたベストセラーを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2020年8月現在

-⑦なぜやったのか?

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。