映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『悪魔を見た』ネタバレなしの感想。婚約者の命を奪われた警察官が殺人鬼を捕まえて弄ぶ

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■評価:★★★★☆4

「許す」

【映画】悪魔を見たのレビュー、批評、評価

あなたは最愛の人の命を奪われたら、どんな行動を起こすだろうか。

許すのか。
あるいは復讐か。
後者を選んだ場合、果たしてどんな手段で挑むのか。

最愛の婚約者の命を奪われた敏腕捜査官スヒョン。元警察官である義理の父の協力を得て、スヒョンは殺人鬼ギョンチョルを見つけ出し、痛めつける。だが命を奪わず、同僚からもらった小型マイク付きのGPSを、気絶したギョンチョルの体内にこっそり忍ばせる。ギョンチョルが性犯罪を起こそうとする度に寸止めをし、嬲りものにしていく。

あらすじを読むだけでも、ただの映画じゃないことは明白。
もはや韓国は普通のサスペンスは飽き足らないらしい。
こんなシナリオを見た経験がないし、映画好きの私にとってはたまらない。

期待に胸を膨らませて鑑賞したが、概ね期待通りの出来栄え。
一生忘れられない映画となった。
そのくらい強烈なインパクトを持つ。

本作のジャンルは、韓国ではおなじみの復讐物。
普通の復讐映画なら、相手を掴めて命を奪うなり、あるいは警察に連れていくなりして終了である。
だが本作は、取っ捕まえてボコったあげく、GPSを腹に入れ、悪さをしたらその都度現れて再度痛めつけ、解放する。
これの繰り返しである。

まるで子供の発想。
だが、やってる内容がイカれてる。
手首の骨を折ったり、足の腱を切って歩行困難にしたり。
目を塞ぎたくなるほどの悪の所業の数々。
よくこんな残虐な主人公の物語を作ろうと思ったもの。

だが、胸糞感は少ない。
なぜなら、殺人鬼ギョンチョルは、残虐な主人公をも凌駕する狂人だからである。

韓国映画の復讐物は、ほかの国の復讐映画とは一味違う。
日本原作ではあるが、オールドボーイも復讐方法がかなりぶっ飛んでいる。
なぜ、韓国はこんなにもイカれた復讐物が多いのだろうか。

もともと韓国は、強権によって国民は抑圧を強いられていた。
民主化を獲得するため、国民は立ち上がって政府と戦う歴史がある。
その様子は映画『1987、ある闘いの真実』『タクシー運転手 約束は海を越えて』等で描かれる。

韓国人は奪うものに対する抵抗力が、ほかの国に比べて強いのではないか?
自由を奪った政府に抗う過去を持つから、韓国人は復讐映画に心を動かされるのではないだろうか。

映画を話に戻すが。本作はとにかく強大なエネルギーを感じた。
絶対に屈しない。
絶対にやられたらやり返す。
主人公の熱量はすさまじい。

役者の演技もすごかった。
主人公に扮したイ・ビョンホンはもちろんだし、ギョンチョルに扮するチェ・ミンシクは精神的におかしくなるんじゃないかって心配になるくらいに、頭がおかしいキャラを見事に演じる。

そしてクライマックスは、テンションが頂点に達する。
想定外のすさまじい結末。
中盤でも十分に恐ろしいのに、ここまで突き抜けた結末を提示するのか。
ただただ唖然。

あとクライマックスのギョンチョルの感情も良かった。
ギョンチョルは徹底して「俺の勝ち」だという。
その理由が素晴らしい。
そんな相手に、主人公はどんな決断を下すのか。
ぜひとも観てほしい。

バカみたいに狂ったストーリーだが、凄まじいエネルギーに圧倒されろ。
韓国映画、素晴らしい。

復讐映画の傑作はコチラ。

■ビー・デビル

■聖なる鹿殺し

■ナイチンゲール

■ミスミソウ

悪魔を見たの作品情報

■監督:キム・ジウン
■出演者:イ・ビョンホン チェ・ミンシク
■Wikipedia:悪魔を見た
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):81%
AUDIENCE SCORE(観客):87%

悪魔を見たを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年8月現在

-⑤人生の節目

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。