■評価:★★★★☆4
「ファミリー」

【映画】ゴッドファーザーのレビュー、批評、評価
1972年に公開された映画を対象とする、第45回アカデミー賞にて作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞し、当時の興行記録を塗り替える大ヒットとなった本作。
続編の『ゴッドファーザー PART II』もアカデミー作品賞を受賞しており、現時点で正編と続編でアカデミー作品賞を獲得した唯一の作品となる。
特に映画好き、映画人からの評価が高い印象が強い。
ようやく私も鑑賞できたのでレビューしていきたい。
第二次世界大戦終戦直後の1945年。ニューヨーク五大ファミリーの一角で、最大の勢力を誇るイタリア系マフィア「コルレオーネ・ファミリー」の邸宅では、ドン・コルレオーネ(ヴィトー)の娘コニーの結婚式が盛大に開かれていた。ドンには他に3人の息子と1人の事実上の養子がおり、末弟であるマイケルはただ一人裏社会には入らず、大学卒業後に軍隊に入っていた。華やかな雰囲気の一方で、ヴィトーは、自身への嘆願を求める人々の処理にせわしなく対応していた。ある日、タッタリア・ファミリーの客分で麻薬密売人のソロッツォが、コルレオーネ・ファミリーに麻薬の取引を持ち掛ける。麻薬取引を良く思わないヴィトーは拒否するが、長男ソニーは前向きな姿勢を見せる。ソロッツォはヴィトーさえ始末すれば取引が進展すると考え、ヴィトーの暗殺を企てる。
さすがは名作なだけあって、盤石の面白さだった。
今では当たり前のように使われるシーンの元ネタが、いくつか見られたのは興味深い。
例えば5大ファミリーのドンが一同に会するシーン。
政界にも顔が利き、娘の結婚式には何百もの人々がお祝いに駆け付ける5大ファミリーの1つ『コルネオーネ・ファミリー』のゴッドファーザーことドン・コルネオーネ。
ある日、ドン・コルネオーネが命を狙われ、息子らは腸が煮えくり返るような思いで復讐心を抱く。
どうやら黒幕は5大ファミリーの1つ。
だが、ドン・コルネオーネは戦争を避けるため、話し合いでケリをつけようと、5大ファミリーのボスに召集をかける。
この時の緊張感が凄すぎて笑えるのだ。
最近では、ワンピースなどの漫画で良く観られる重鎮や強キャラたちが一同に会するシーンの元ネタはまさにこれ。
私が特に好きだった元ネタ・シリーズは、まともだったヤツが徐々に悪に染まる描写。
ドン・コルネオーネの息子たちは、みんなコルネオーネ・ファミリーの一員としてマフィアの仕事に勤しむ。
だが、三男のマイケルだけは父の仕事を嫌がり、一人だけ大学を卒業し、海軍に徴兵として向かう。
マイケルだけはコルネオーネ・ファミリーの中で、異端児なのだ。
だが、とある出来事がきっかけで、マイケルは心を鬼と化し、マフィアとしての仕事に手を染め始める。
この印象的なキャラクターの変化は、このブログでも記事にした映画『孤狼の血』でも見られる。
周りが悪ばかりで、マイケルは唯一の善人に見えていたので、悲しくなる。
だが、人が悪に染まる姿はどこか清々しく思えるのが不思議。
心を解放したような妙なカタルシスがあるのだ。
この複雑な感情が印象的で、本作で一番好きな箇所となった。
意外だったのが、本作ではこのマイケルが実質的な主人公であるという事実。
てっきりタイトルがゴッドファーザーなので、マイケルの父であるドン・コルネオーネが主人公かと思っていた。
だが、劇中で一番、劇的な変化を見せるのがマイケルである。
最後まで観ると、マイケルの変化の振り幅にはびっくりさせられる。
最高に素晴らしい結末。
マイケルに扮した若きアルパチーノが見事な演技力を見せてくれた。
もちろん、マーロン・ブランド扮するドン・コルネオーネも素晴らしい。
オーラが凄すぎて、本物のマフィアである。
いったいどんな波乱万丈な人生を歩んだら、あんなに厳めしいオーラを放てるオッサンになれるのか。
実際にドン・コルネオーネが画面に出てくる時間はそんなに長くない。
だが、異様なインパクトを残す。
ゴッドファーザーの名にふさわしい圧倒的、存在感である。
ちょっとキャラクターが多すぎて、中盤はストーリーを追いかけるのがやっとな箇所もあった。
だが、キャラクター、ストーリー、ともに素晴らしいクオリティの映画。
さすがは名作である。
もっと早く観れば良かった。
マフィア・ヤクザを題材とした傑作はコチラ。
■ザ・レイド GOKUDO
■孤狼の血
■日本で一番悪い奴ら
ゴッドファーザーの作品情報
■監督:フランシス・フォード・コッポラ
■出演者:マーロン・ブランド アル・パチーノ ジェームズ・カーン ロバート・デュヴァル
■Wikipedia:ゴッドファーザー(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):98%
AUDIENCE SCORE(観客):98%
ゴッドファーザーを見れる配信サイト
U-NEXT:○(見放題)
Hulu:○(見放題)
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)、○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:○(見放題)
※2020年8月現在