映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

②金の羊毛

映画『インターステラー』ネタバレなしの感想。男が地球を救うために宇宙に飛び立つ。オールマイベスト10の1つ

投稿日:9月 9, 2020 更新日:

■評価:★★★★★5

「親子」

【映画】インターステラーのレビュー、批評、評価

「面白かったね」
「クソ面白かった。こんなに面白いとは思わなかった」
「宇宙のシーン、キレイだったね」

劇場鑑賞後に、こんな会話が後ろの席から聞こえてきた。
私は普段、劇場鑑賞したら、エンドロールを観ずに帰る派である。
本作はあまりに号泣しすぎたのと、余韻に浸りたくて、最後まで席に佇んでいた。
だからこそ、後ろから温かい会話が聞こえてきたのはとても良い気分になった。

本作は『ダークナイト』『インセプション』『ダンケルク』『TENET テネット』のクリストファー・ノーラン監督による2014年に公開されたSFドラマ映画。
今、もっとも世界中の映画ファンが新作を渇望する映画監督の一人である。

近未来。地球規模の植物の枯死、異常気象により、人類は滅亡の危機に晒されていた。元宇宙飛行士クーパーは、義父と15歳の息子トム、10歳の娘マーフィー(マーフ)とともにトウモロコシ農場を営んでいる。マーフの部屋は、本棚から本が勝手に落ちる奇妙な現象に、たびたび見舞われていた。マーフは人の気配を感じ、幽霊だと信じていた。ある日、クーパーはそれが何者かによる重力波を使った二進数のメッセージであると気が付く。メッセージを解読し、それが指し示す座標の元へ向かうと、秘密施設にたどり着き、二人は拘束される。そこで、クーパーはかつての仕事仲間のブランド教授と再会し、大昔に無くなったはずのNASAが秘密裏に復活していた事実を知らされる。NASAは土星付近に突如として現れたワーム・ホールを抜け、別の銀河に人類の新天地を求めるプロジェクト【ラザロ計画】を遂行していた。教授は、第二の地球となり得る惑星を探すミッションに、パイロットとして参加するようクーパーを説得する。いつ帰還できるかわからない、最悪、宇宙で命を落とす可能性もある危険なミッションに、マーフは激しく反対する。クーパーはマーフとの和解の機会を得られないまま、出発の日を迎えてしまう。

4回目の鑑賞。
あまりに美しい宇宙の映像のため、公開当時に劇場鑑賞しなかった失態を悔やんだ唯一の作品だった。

今回、コロナ禍において、新作映画の公開延期が相次いで空いたスクリーンになんと、インターステラーの再公開が決まった。
私は歓喜した。 
私の小説執筆が佳境に迫っていて、早く終わらせるために鑑賞をスルーしようと頭がよぎった。
だが、日常で流しているサントラにせっつかれ、我慢できずに劇場に足を運んだ。

池袋のグランドシネマサンシャインのIMAXスクリーンで鑑賞したが、そもそもこのスクリーンの巨大さに驚かされる。
観客の足元まで伸びたヤケクソなまでに大きさで、期待値が爆上がりである。

いざ鑑賞が始まったら、過去の鑑賞の様々な想いが蘇った。
少なくとも5回以上は涙腺が刺激され、2回、大粒の涙を零した。
まるでメダカくらいなら飼えるんじゃないかってくらいにボロボロだった。

私の中でだが、時が本作の価値を熟成させているため、正しい評価は難しい。 
結末を知っているからこそ、序盤で見られるさり気なく笑い合う主人公クーパーと娘のマーフの姿にすら、目頭が熱くなるレベル。

だがそれで良い。
好きな映画は好きなように価値を感じていいし、好きなように語って良い。
映画ってそんなもんだろう。
観た時点で、観客のものになっているのだから。

早速レビューをしていきたいが、語りたいことは山ほどある。
まずは一つはハンス・ジマーが担当した音楽の素晴らしさ。
パイプオルガンで演奏された荘厳で、宗教感のある音楽が痺れるほどに素晴らしい。

序盤でクーパー一家が空飛ぶドイツ製のドローンを発見し、トウモロコシ畑をなぎ倒して追いかけるシーン。
早速、本作のメイン・メロディの一曲『Cornfield Chase』が流れる。
鳥肌ものである。
壮大なトウモロコシ畑を気持ち良さげに突っ切る映像と曲が見事なまでにマッチしている。

このメイン・メロディの曲は、以降も重要なシーンで流される。
宇宙旅行序盤のワームホールに飛び込むシーンや、クライマックスの主人公の奮闘シーンなどなど。
どのシーンも映像だけでも素晴らしいが、音楽が観客の感情を激しく揺さぶるのだ。

対して無音演出も良い。
これは本作だけではない宇宙映画あるある。
特に巨大スクリーンで観る無音演出は、贅沢の極み。

インターステラーは鑑賞後にサントラを買うことをおすすめする。
数年前に鑑賞した日から今に至るまで、私は鼓膜が磨り減るほどに繰り返し聞いている。

音楽については、特典ディスクがついているBlu-rayソフトに、制作過程のメイキングが収録されているので、関心があれば購入してみると良い。
例えば、監督のノーランが用意した父と子の会話を、ハンスが渡されてイメージし、メインテーマを作りあげた。
ノーランはこの曲をとても気に入り、撮影中は常に聞いていた。
パイプオルガンの宗教感のある音色は、超自然の抽象感を象徴としているから採用した、などが語られている。

ハンスが、めちゃくちゃ楽しそうに、パイプオルガン演奏者のロジャーの演奏を聞いているのが印象的だった。
ハンスの音楽への熱が画面のこちらにも伝わって来て笑えるのだ。

次にストーリー。
もう本当に面白い展開の連続で頭が下がる。
よくもまあ、こんなに面白い発想が思いつくものだ。

序盤に訪れるポルターガイストの謎。
近くにあるガルガンチュアというブラックホールの重力の影響で、第一の星に滞在すると、とんでもないリスクに見舞われる地獄。
第一の星での、とんでも悲劇。
第二の星の雲があんなことになっちゃってるイカれた設定。
ひょんなトラブルで、回転した母船へのドッキング・チャレンジ。
その後のクライマックスに向けての、次元を越えたぶっ飛んだシーンの先に待つ感動。

出来る限りのネタバレは避けたいので抽象的な表現で書いた。
2時間半が一瞬に感じられる面白さ。

キャラクターも最高だ。
今回の鑑賞で気づいたのは、ユーモアの素晴らしさ。
宇宙の旅にはTARSというロボットがついてくる。
長テーブルの天板みたいな四角いロボで、普通に人の言葉を話してコミュニケーションの取る。
ロボのくせにやたらユーモアを言いまくる。
しかも「正直レべルは90%」なんてほざく。
理由は「完璧な正直さは時として、感情を持つ相手を傷つける」からだそう。
クーパーは愛娘マーフとケンカしたまま、命がけで宇宙にやって来ているので、ふざけたTARSにイライラさせられるのだ。

だが、後半にこのユーモアが伏線となって大きく心を揺さぶられる。
TARSのファンが多いのも納得。
私もTARSへの愛が強くなってしまった。

後は、何といってもマーフ。
シンプルに可愛い。
ルックスはもちろん、行動も愛しい。
お父さんと同じく科学が大好き。
序盤で見つけた秘密基地にクーパーと一緒についていこうとするが「危険があるかもしれないからダメ!」と叱られる。
でもこっそりついてきちゃう。
お父さん大好きっこ。
だからこそ、泣ける。

本作は奇跡としか言いようがない出来栄え。
私は平日の昼間に行ったが、まさかの満席である。
IMAXスクリーンのため、決して安くない2500円という価格なのにも拘わらず。

映画ファンのみならず、出来る限り多くの人に鑑賞してもらいたい素晴らしい映画である。
難しい専門用語が飛び交ったりするが、ストーリー・ラインは非常にシンプル。
テーマは家族愛という普遍を描いているので、かなり客層は開かれている。

特に女性に観てもらいたい。
実質ダブル主人公の一人を担うのが娘だから。

私は両親がキライで、絶縁に近い状態。
この映画を観ると両親からの愛を渇望していると痛感させられる。
悔しいけど、2回泣いた箇所は残酷なほど美しく親子愛を描いていた。

私が泣かされた映画はコチラ。

■ヒトラーの忘れもの

インターステラーの作品情報

■監督:クリストファー・ノーラン
■出演者:マシュー・マコノヒー アン・ハサウェイ ジェシカ・チャステイン  マッケンジー・フォイ
■Wikipedia:インターステラー(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):72%
AUDIENCE SCORE(観客):86%

インターステラーを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:○(見放題)
Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:○(見放題)
※2020年9月現在

-②金の羊毛

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。