映画の海

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④難題に直面した平凡な奴

★新作映画『TENET テネット』ネタバレなしの感想。異様の映像の数々。狂った映像体験を与える怪作

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■評価:★★★★☆4

「時間の逆行」

【映画】TENET テネットのレビュー、批評、評価

『メメント』『ダークナイト』『インセプション』『インターステラー』のクリストファー・ノーラン監督最新作。
ハリウッドで最も新作が望まれる監督の一人。
CGを嫌う実写志向の強い人物で、本作でも、実物のジャンボ・ジェット機を劇中で破壊したことが大きな話題となっていた。

本作は時間の逆行をテーマとしたSF映画となる。
クリストファー・ノーラン作品にも、時を題材とした物語は多い。
『メメント』では記憶が10分間しか保たない男が主人公。
『インセプション』は眠る人間の夢に侵入する物語で、滞在する夢の深さによって、体感時間が断る設定が盛り込まれる。
『インターステラー』でもテーマを語る上で時間がキーとなる。

本作では、どのように時の概念を物語に絡めるのか。

ウクライナのオペラ・ハウスにてテロ事件が発生。『プルトニウム241』を奪取したスパイを救出するために、特殊部隊に偽装して突入したCIA工作員の名もなき男。男はプルトニウムだと思っていたケース内の物が謎の部品であることを知り、さらにスパイの救出には成功したものの脱出の際に、ロシア人たちに捕らえられる。男は拷問から目を覚ますと、謎の人物から、今回の作戦は自分たちの組織に加えるためのテストだったことを明かされる。呼び出された場所にて、未来から送られた『逆行する弾丸』、逆行を駆使して世界を破滅に導こうと目論む武器商人アンドレイ・セイターの存在を知らされる。男は協力者であるニールと共に、セイターの妻であるキャットへ接触を図る。

映像が凄い。
信じられないほどに革新的な映像体験を得られた。
CGが発達したこの時代に、まさか映像で衝撃を与えられるとは思わなかったのでびっくりした。
ノーランのアイディアの力である。
さすがは今の時代に最も成功している映画監督。

本作は、時間を逆行する未来人との対立構造の物語となる。
未来人は時間を逆行する装置を開発している。
その機器を駆使すれば、過去に戻れるのだ。
未来では地球が滅亡しそうなので、未来人は過去に戻って、とある計画を実行し、未来を救おうとしている。
だが、その計画を実行に移すと、未来の破滅を免れる代わりに、主人公が生きる現実が破滅してしまう。
そのため、主人公は世界を救うために、未来人と戦う。

この世界では、パラレルワールドが存在しない。
現実と未来は一直線という設定となっている。

だが、ドラえもんのタイムマシンのように一瞬で未来から過去に戻れるわけじゃない。
未来人が過去に戻る場合は、時間を逆行し、同じ時間をかけて過去に戻る。

だから時間を逆行する連中は、順行(通常の時間軸)の人間から見ると、逆の動きをしている。
歩くときは後ろ歩きをするし、喋る言葉も逆さまだ。
吸う息も逆流しているので、逆行人間は全員マスクを装着している。
マスクを外すと、息ができずに命を落とすのだ。

特に凄かったのは順行の主人公らと未来人らとのカーチェイスシーン。
詳細は伏せておくので、ぜひとも観て楽しんでほしい。
本作はこのシーンを観るだけでも十分に価値がある。

何もかもが異様で、普通じゃない映像を見せてくれた。
音楽もこの奇妙さを煽ってくれるので素晴らしかった。

言及せずにはいられないのが難解さ。
試写会を見た芸能人や、Twitterでの感想から、非常に難解な物語であることが予想されていた。
151分という長尺でもあるので、あらすじを頭に叩き込んで、気合いで鑑賞に挑んだ。
結果としては、思っていた以上に早い段階で置いてきぼりを食らった。
8割くらいは理解できていないと思う。

大枠自体は『時間の逆行を駆使する未来人から世界を救う』とシンプルなので、物語にはかろうじてついていける。
『エントロピー』や『反粒子』などの物理の専門用語も出てくるが、ここはあまり問題ではない。

難解というか説明が足りていない。
主人公が、節々で何の目的で動いているのか、いまいち良く分からない。
そのため、ほとんどの時間を大枠を頭の片隅に意識し、何となく映像を眺め続ける感じである。

それでも、本作は楽しめてしまうのが恐ろしいが。
そのくらい革新的な映像を見せられるのだ。
次はどんな映像を見せられるのか好奇心を煽られ、ついつい画面に食い入る。

終盤では逆行する敵と、順行の敵の両方と戦うので、何が行われているのか意味不明。
クライマックスでは複雑さも最高潮のため、何が何だかさっぱり。
これほどの混乱状態でエンドロールに到達した経験も久しぶりである。

『テネット 解説』で検索すると、解説サイトがたくさん出てくる
ある程度理解を深めてから、もう一度観ると楽しめると思う。
正直、1回目の鑑賞では2~3割程度しか楽しめない。

私はこういう複雑な映画はキライじゃない。
シンプルな映画のが楽しみやすいが、時間をかけて理解を深めていく映画も、また楽しさの1つである。

そういえば、逆行人間のマスク姿がシンプルにカッコよかった。
全体的にスタイリッシュは素晴らしいエンタメ。
レンタルが開始されたら、また鑑賞したい。

時の概念が物語に絡むおすすめ作品はコチラ。

■インターステラー

■ハッピー・デス・デイ

TENET テネットの作品情報

■監督:クリストファー・ノーラン
■出演者:ジョン・デヴィッド・ワシントン ロバート・パティンソン エリザベス・デビッキ
■Wikipedia:TENET テネット
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):72%
AUDIENCE SCORE(観客):76%

TENET テネットを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:-
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年9月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。