■評価:★★★☆☆3.5
「魔法は楽しい」

【映画】ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団のレビュー、批評、評価
イギリスの児童文学作家、J・K・ローリングが1997年に発表した、子供向けファンタジー小説ハリー・ポッターシリーズの第5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』。
その映像化作品が本作となる。
シリーズは全7巻。
刊行順は以下の通りである。
ハリー・ポッターと賢者の石
ハリー・ポッターと秘密の部屋
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
ハリー・ポッターと炎のゴブレット
★ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
ハリー・ポッターと謎のプリンス
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2
前作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』から交代し、本作からはマイク・ニューウェル監督が務める。
彼が本作からハリポタ最終話の『ハリー・ポッターと死の秘宝』と、ハリポタの世界観を共有した実質、ハリポタの続編である『ファンタスティック・ビーストシリーズ』も担当する。
ハリー・ポッターシリーズのレビュー記事はこちら。
『ハリー・ポッターと賢者の石』
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
ホグワーツ魔法魔術学校の5年生となったハリー・ポッターの夏休みが明ける。ホグワーツでは、魔法省から上級次官「闇の魔術に対する防衛術」の教授にアンブリッジが派遣され、就任していた。アンブリッジの授業は「防衛術の理論」という本を読ませ、実技をまったく扱わないものだった。ハリーらは、シリウス・ブラックから「魔法省は、ダンブルドアが学生を率いて私設軍団を組織するのを阻止するため、アンブリッジを派遣して学生に闘う訓練をさせないようにしている」という話を聞く。これを受け、ハリーら主導のもと、一部の学生たちが秘密裡に集まり、「闇の魔術に対する防衛術」の実技を学ぶダンブルドア軍団が結成される。
本作の導入は、シリーズで一番、入り込みづらかった。
ハリーが夏休みで帰省中、突如として現れたアズガバンの看守である吸魂鬼(ディメンター)に襲われて、つい魔法を使ってしまう。
「未成年の魔法使いは、自衛以外の魔法の使用を禁じられている」として、懲戒尋問を受けることになる。
このハリーポッターの世界観に尋問という要素の噛み合わせが悪かった。
もともと原作は児童小説である。
ポップで楽しい魔法が存在する世界観を期待しているのに、裁判という要素が堅すぎる。
もし尋問をするのなら、魔法で真実を暴くような流れにしてほしい。
尋問でしか使用を許されていない、真実を暴く魔法を使用するとか。
何で魔法を使えるのに、尋問で真実を導き出すのか。
何なら本作では『真実薬』なるものが登場する。
世界観の矛盾である。
真実薬を使って、さっさとハリーに真実を吐かせたらいい。
こんな導入なので、「今回のシリーズはあまり楽しめないのかなあ」といった心配が頭をよぎった。
だが、意外にもここから楽しませられるのだ。
魔法省に在籍するアンブリッジという丸々とした可愛げのないオバサンがホグワーツの先生になる。
この女はホグワーツの生徒たちの実戦形式の魔法を禁じ、理論だけを叩き込む。
まるで日本の英語教育である。
言うまでもなく、目的は牙を抜くこと。
ホグワーツの生徒らの力を奪い、監視下に置こうと企む。
そこで、ハリーらはアンブリッジを出し抜くため、一部の賛同する生徒らを集めてレジスタンスを作る。
隠れて魔法の修行に励むのだ。
魔法の修行という流れが少年ジャンプの漫画的でワクワクさせられた。
秘密の場所でこっそりと修行するという流れもジュブナイル的でGOOD。
後半に訪れる、修行の成果を発揮した魔法合戦も結構、楽しかった。
終盤では、出てくるキャラクターも多いし、何が現実で何が夢なのかわからず、混乱させられた。
修行シーン以外はシリアスな空気感。
今まで鑑賞してきたハリー・ポッター・シリーズの中でも一番、児童向けとは思えない内容だった。
もっとポップでワクワクさせられる魔法の世界を観たい。
私はハリー・ポッターはシリアスな要素はそんなに求めてないし、そう思う観客も多いのでは。
ファンタジーのおすすめ作品はコチラ。
■カールじいさんの空飛ぶ家
■メイドインアビス(TVアニメ)
■メイドインアビス 深き魂の黎明
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団の作品情報
■監督:デヴィッド・イェーツ
■出演者:ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン
■Wikipedia:ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):78%
AUDIENCE SCORE(観客):81%
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団を見れる配信サイト
U-NEXT:○(有料)
Hulu:○(見放題)
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)、○(字幕・有料)、全8作一括レンタル(吹替・有料)、全8作一括レンタル(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2020年10月現在