映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑨組織のなかで

映画『エクス・マキナ』ネタバレなしの感想。人里離れた社長の邸宅に招かれ、極秘に製作中のAIの実証実験を頼まれる

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■評価:★★★★☆4

「AI」

【映画】エクス・マキナのレビュー、批評、評価

原題であるex machinaは、『機械仕掛けの』という意味を持つ。
『神』という意味を持つ単語を加えたデウス・エクス・マキナ=『機械仕掛けの神』は、強引なハッピーエンドを指す演劇用語。

機械が導くハッピーエンドを描く本作。
いったい、どんな結末を迎えるのか。

検索エンジンで大きなシェアを持つIT企業『ブルーブック』に勤めるケイレブ。抽選により、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現さないCEOネイサンの邸宅に1週間、滞在するチャンスを得る。そこで、ネイサンが極秘に製作中のAIの実証実験を頼まれる。

知的で気品にあふれる、素晴らしい映画だった。
実に興味深い内容で、時間を忘れて鑑賞できた。

そもそも舞台が素晴らしい。
広大な自然に溢れる場所に、ネイサンの邸宅はある。
日本家屋のような外観の家の中は、ハイテクにまみれたSF世界。
こんな歪なネイサン邸の中でのみ、物語は展開される。
いわゆるワン・シチュエーション映画である。

キャラクターも魅力的。
普通、大会社のIT社長といったら、スティーブ・ジョブズとかマーク・ザッカーバーグのようなさわやかな風貌の男を連想する。
だがネイサンはイエティのような髭面で、不気味な目つきを持つ奇妙な男である。
この男が、心底、何を考えているのかが不明瞭で、最後まで目を離せない。
果たして敵なのか、味方なのか。
掴みどころのないネイサンを演じたオスカー・アイザックの演技力が素晴らしい。

主人公ケイレブが実証実験の対象として対峙する、AIロボット・エヴァも魅力的。
アカデミー賞の視覚効果賞を取るに値するロボットの造形が美しい。
まるで作り物のように美しい顔は一切、笑顔を見せない。ギャップに惹かれる。

エヴァは、ケイレブとの対話を重ねるうちに、とある感情を見せ始める。
果たしてこれは、本当に思考を重ねて生まれた感情なのか。
あるいは、偽物なのか。

そもそも実証実験の目的は『思考する能力を持つのかどうか』を調べる目的がある。
感情が表情に出ないので、観客は想像力を掻き立てられるのだ。
エヴァの振る舞いの演出は非常に巧みである。

感情変化も巧みに描いている。
主人公ケイレブは中盤辺り、とある変化によって、ぶっ飛んだ行動を取る。
でも、この行動は同じ環境下であったら、私も同じ行動に走っただろう。
すごくぶっ飛んだ行動に到達するまでを上手く描いていたし、その結果としてのぶっ飛んだ行動そのものにも説得力がある。
もはや初監督作品とは思えない練達っぷりである。

調べたら、アレックス・ガーランド監督は監督としてデビューする前に脚本家として活動している。
『トレインスポッティング』『28日後』のダニー・ボイルと組む機会が多く、レオナルド・ディカプリオ主演『ザ・ビーチ』の原作や、『28日後… 』の脚本などを執筆している。
これほどの重厚なドラマを描ける手腕に納得である。

少ない登場人物の物語だが、誰もが怪しくて、画面から目を離せられない。
どんでん返しの多い映画でもミステリー要素の強い映画。
あらすじ以外の情報を入れずに鑑賞することをお勧めしたい。

美しい世界観の下で描かれるドラマ作品はコチラ。

■お嬢さん

エクス・マキナの作品情報

■監督:アレックス・ガーランド
■出演者:アリシア・ヴィキャンデル ドーナル・グリーソン オスカー・アイザック ソノヤ・ミズノ
■Wikipedia:エクス・マキナ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):92%
AUDIENCE SCORE(観客):86%

エクス・マキナを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年11月現在

-⑨組織のなかで

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。