映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『パーマネント野ばら』ネタバレなしの感想。離婚した女が娘を連れ、母の経営する美容室に身を寄せる

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■評価:★★★☆☆3.5

「大人の恋愛」

【映画】パーマネント野ばらのレビュー、批評、評価

『ぼくんち』などで知られる西原理恵子の漫画作品を原作とする。
監督は吉田大八。
2012年公開の『桐島、部活やめるってよ』は日本の主要映画賞を総なめにし、当時の映画ファンを熱狂させた。
私も『桐島、部活やめるってよ』はしてやられた。
原作ももちろん面白いが、映画版は大幅に脚色していて素晴らしい出来栄えである。

『パーマネント野ばら』は桐島の1つ前にあたる吉田大八の2010年制作、公開作品となる。

ある田舎の漁村にある美容院「パーマネント野ばら」。離婚したなおこは娘を連れ、母が経営する「パーマネント野ばら」に身を寄せていた。「パーマネント野ばら」では町の女の溜まり場となっていて、日々の鬱憤を晴らしたりして笑い合っていた。なおこの幼馴染の友達と男運の悪さを嘆いていた。みっちゃんはフィリプンパブを経営しながらヒモ男に金をせびられていた。ともちゃんも付き合う男が皆暴力男。なおこ自身も、地元中学校教師のカシマと密会していた。愛情を感じながらも、カシマのはっきりしない態度に、なおこは振り回されており……。

最初はありふれた日常系映画といった感じをまったり楽しんでいた。
おばちゃんたちの溜まり場と化した「パーマネント野ばら」では、日々、愚痴やら噂やら男性器の名前やらが飛び交う。
もはや一生分は、女性の口から男性器の名前を聞かされた気分。
下品の巣窟である。

なおこは離婚して、東京生活に疲れて田舎にやってきて療養している様子。
とは言っても、寂しさを埋めるために、こっそりと中学教師のカシマと内緒で付き合っている。

同級生で、田舎に残った友達たちもみんな男に振り回される。
幸せとは程遠い環境だが、仲間たちに囲まれながら、なおこは何とか楽しく生きているって感じである。

だが、こんな平穏な町にいながらも、なおこはとどめを刺されるような辛い出来事に見舞われる。
詳細はネタバレになるので伏せておく。
思わず感情移入してしまい、心の中で応援しながら見守る。

一風変わったコミカルなキャラクターたちがたくさん登場するので、そこそこは楽しめる。
漁村の風景も癒されるし、都会に住む人間にとっては映像を見ているだけ癒される。

だが、あまりに普通すぎるのだ。
上記のなおこが遭遇する悲劇も正直、予想の範疇である。

あまりにふつう過ぎて、「こんなもんかあ」とスマホでも手に取ろうと思ったラスト十分。
とんでもない展開である。。
ハンマーで頭を殴られたような衝撃。
思わず、スマホが手からこぼれ落ちた。

なるほどである。
なぜこの映画が吉田大八という感度の高そうな映画監督に制作されたのかが納得。
なかなか面白いことをしてくれるじゃないか。

観終わった感想としては、染みる映画だった。
すごく田舎に行きたくなる。

私の環境も、コロナによって大きく変化しつつある。
その変化の軋みにうんざりしているし、心も疲れ気味。
「パーマネント野ばら」やその周りに住む連中が、自分の周りにいてくれたら、どれだけ幸せか。

ある意味、今の時代にはぴったりの映画だった。
心が疲れている人には見てもらいたい一作。

癒される映画はコチラ。

■きみはいい子

■バジュランギおじさんと、小さな迷子

パーマネント野ばらの作品情報

■監督:吉田大八
■出演者:菅野美穂 江口洋介 池脇千鶴 小池栄子 夏木マリ
■Wikipedia:パーマネント野ばら

パーマネント野ばらを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(見放題)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年11月現在

-⑤人生の節目

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。