映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑨組織のなかで

映画『スノーピアサー』ネタバレなしの感想。氷漬けとなった世界で、永久に走り続ける列車の中での人類の諍いを描く

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■評価:★★★☆☆3.5

「弱者VS権力者」

【映画】スノーピアサーのレビュー、批評、評価

2019年の映画を対象とした、第92回アカデミー賞にて作品賞を含む4部門を受賞した『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督の2014年公開作品となる。

2031年。世界は地球温暖化対策のために散布された化学薬品CW-7によってすべての陸地が雪と氷に覆われた。生き残ったわずかな人類は永久機関によって動き続ける列車「スノーピアサー」の内部にて暮らす。だが、そこでは前方車両に住む富裕層がすべてを支配し、最後尾に住む貧困層は奴隷同然の扱いを受けていた。ある日、貧困階級のカーティスは、理不尽な支配に立ち向かうべく、仲間と共に反乱を企てる。

まるで漫画のようなぶっ飛んだ世界である。
実際に本作は1984年に発表された「LE TRANSPERCENEIGE」シリーズ第1作「TRANSPERCENEIGE:脱走者」というタイトルのフランス産のコミックである。
1986年には「漫画界のカンヌ映画祭」と呼ばれるアングレーム国際漫画祭でグランプリを受賞している。
監督のポンジュノは、たまたま立ち寄ったソウルのコミックショップで本作の原作を読んで夢中になり、映画化権を取得したそう。

古い漫画ということもあって、正直、突っ込みどころは多い。
そもそも永久にエネルギーを生み出せる機関を作れる技術があるなら、外でドーム状の建造物でも作って住んだらいい。
何でわざわざ列車に乗るのだろうか。
走り続ける列車なんて、いつぶっ壊れるかわからない。
乗客からしたら、怖くて仕方ないはずである。

他にも、外では植物は育たないだろうから酸素とかどうしてるんだ?とか、細かい突っ込みどころは多い。
だが漫画作品に1つ1つ突っ込んでいくのは野暮である。
この世界観に乗ってあげたら、割と楽しめる。

先頭では、富裕層が悠々自適に暮らしている。
この富裕層が贅沢に過ごす列車の1つ1つが面白いのだ。
例えば水族館のように周りが水槽になっている車両があり、その先は寿司屋になっていたり。
あるいは、キレイな服を着た子供たちは、楽し気に授業を受けていたりなど。
狭い空間ながらも、贅沢に過ごしている姿がちょっと面白い。
「この先はどんなユニークな車両が見られるのか」と興味をそそられる。

ちなみに最後尾のホームレスみたいに汚い恰好をする貧困層らは、よくわからん羊羹みたいな食い物を食わされて延命させられている。
生活レベルの差の違いががありすぎて笑えて来る。

キャラクターは、もっと魅力的に描いてもらいたかった。
敵は特に目立った特徴のない人間。
主人公のカーティスも特別な能力を持っていたりするわけではなく、特徴は薄い。
カーティスを手助けする韓国人の男も、特技といったら鍵は開けられるくらい。
キャラクターとしての面白味はやっぱり薄味。

ポンジュノ映画の中では一番、エンタメしている印象。
格差を描く社会風刺の要素もあるが、設定がぶっ飛んでいるのでエンタメ色が強い。

弱者が権力者に立ち向かう系の傑作はコチラ。

■トガニ 幼き瞳の告発

■ナイチンゲール

■パラサイト 半地下の家族

■ジョーカー

スノーピアサーの作品情報

■監督:ポン・ジュノ
■出演者:クリス・エヴァンス ソン・ガンホ コ・アソン
■Wikipedia:スノーピアサー(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):94%
AUDIENCE SCORE(観客):72%

スノーピアサーを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:○(見放題)
※2020年11月現在

-⑨組織のなかで

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。