■評価:★★☆☆☆2
「学校の怪談」

【映画】新生 トイレの花子さんのレビュー、批評、評価
『金田一少年事件簿シリーズ』『池袋ウエストゲートパーク』『トリック』『SPEC』の堤幸彦と『女優霊』『リング』の脚本を担当した高橋洋によるジュブナイル・ホラーとなる。
11年前、行方不明になった姉・かおりと同じ緑台中学に入学した里美。入学式が終えた直後、里美は、小学校からの親友・香苗と一緒に校舎の裏手に古い社を見つける。そこで、何者かが里美の名前を囁く声を聞く。以来、里美の周りで不思議な出来事が起こるようになった。
堤幸彦はジュブナイルものを多く手がけており、大作より小規模な世界観を得意とする印象が強い。
本作はジュブナイル・ホラーなので堤幸彦のレンジ内かと思って期待して鑑賞した。
だが、非常に微妙だった。
最も残念だったのが、意外とシリアス寄りだったところ。
堤幸彦の代表作の一つである堂本剛版のドラマ『金田一少年の事件簿』。
天才高校生が、次々と難事件を解決するジュブナイル・ミステリー。
『金田一少年の事件簿』は部活の合宿先や、呼ばれた友達の結婚式などで殺人事件が起きる。
金田一が推理をして事件を解決していく。
ミステリー部分が面白いのはもちろんだが、『金田一少年の事件簿』の魅力の1つにコメディ・タッチな演出が挙げられる。
普段の金田一は脳天気なお馬鹿キャラ。
恋心を抱かれているヒロイン・美雪の気持ちにも気付かない鈍感坊やである。
だが、推理となると、きりっと顔つきが鋭くなり、IQ180の頭脳が発揮されるのだ。
堂本剛のコメディ演技が上手いのも相まって、爆発的に面白い。
古いドラマなので若い世代は未見だろう。
それでも勧めたくなる良質なドラマ。
『新生 トイレの花子さん』に話を戻す。
前述した金田一に対して、本作は全くコメディ要素が皆無。
謎の現象に対して、真面目なキャラクターたちが淡々と推理や対処を試みる。
ジュブナイルらしい元気の良さ、ワクワク感も薄めでかなり期待外れだった。
脚本家が高橋洋だから、シリアス色が強いのだろうか。
もっとコメディ・タッチでお願いしたかった。
あと、ストーリーもいまいち興味深くなかった。
トイレの花子さんなので、トイレで何かとトラブルが発生する。
だが、トラブルの元凶となったあるモノが、トイレとの親和性に乏しくて、あんまり惹かれる展開ではなかった。
トイレの花子さんは量産されているので、強引に捻り出したのだろうか。
更にクライマックスの展開もぶっ飛んでいて、なんのこっちゃといった感じである。
せめてコメディ寄りだったら、キャラクターの魅力に惹かれて楽しめただろう。
本作は登場するキャラクターがみんな真面目で、特徴もない。
良いところを探すほうが難しい内容の映画だった。
そもそも本作は鑑賞難易度が高い。
レンタルは渋谷のツタヤでVHSのみ。
過去にリリースされたDVDはどれも廃盤。
3000円ちょっとと、若干のプレミア価格となっている。
無理して鑑賞するレベルではない。
ジュブナイルものの傑作はコチラ。
■ハリー・ポッターと賢者の石
■小さな恋のうた
■惡の華
■スウィート17モンスター
新生 トイレの花子さんの作品情報
■監督:堤幸彦
■出演者:前田愛 浜丘麻矢
■Wikipedia:新生 トイレの花子さん
新生 トイレの花子さんを見れる配信サイト
U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(DVD)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年12月現在