■評価:★★★☆☆3
「自己犠牲の愛」

【映画】ストリート・オブ・ファイヤーのレビュー、批評、評価
『キネマ旬報』において、1984年度の読者選出外国映画ベスト・テンの第1位に選ばれたアクション・ロック映画となる。
人気女性ロック歌手、エレン・エイムが地元での凱旋ライブ中にストリートギャング“ボンバーズ”に拉致される。エレンのピンチを知った大ファンのリーヴァは、かつてエレンと恋仲だった弟のトムに助けを求める。その後、エレンのマネージャー・ビリーがトムを雇うと申し出る。トムは偶然、出会った陸軍あがりの女兵士マッコイを相棒に、ボンバーズのアジトの急襲を企てる。
本作を見た経緯は岡田斗司夫がオールタイム・ベストテンに入れていたから。
岡田斗司夫といえば、アニメ制作会社のガイナックスの立ち上げ人の一人。
ガイナックス制作のアニメ映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の企画にも携った人物。
『王立宇宙軍 オネアミスの翼』は主要スタッフに『エヴァンゲリオンシリーズ』『シン・ゴジラ』の当時大学生だった庵野秀明などが参加している。
岡田斗司夫自身はIQ148以上ある異色な天才で、現在はYouTubeなどの動画メディアにて、アニメの解説などを行う。
特にジブリの解説は素晴らしくて、一度、岡田斗司夫の解説動画を目にしている人は多いだろう。
当時、ガイナックスの制作陣がみな、本作『ストリート・オブ・ファイヤー』に惚れ込んで同じ要素を盛り込みたがり、なんとか影響を反映させずに作った『王立宇宙軍 オネアミスの翼』を制作した経緯がある。
そんな岡田斗司夫の好きな作品ってことで、『ストリート・オブ・ファイヤー』を鑑賞した。
たが、かなり古さを感じるストーリーで、そこまで私はハマれなかった。
一言でストーリーを伝えると、誘拐された女の子を救いに向かう男の話。
岡田斗司夫は、本作を『優れた寓話』として高い評価をしている。
どういうことかというと、本作はキリスト教における「自己犠牲の愛」を描く。
ロックという反逆魂を持つ世界観にもかかわらず、「自己犠牲の愛」を貫く美しさを描くのが本作の目的。
だが、あまりにストーリーはシンプル過ぎる。
映像の古さも相俟って、私には少し厳しい映画だった。
良かったのは世界観。
ロック音楽のBGMが流れる中で、警察をも手に負えない、暴走族『ボンバーズ』が街を締める世界。
このむちゃくちゃな世界観がマッドマックスを彷彿とさせる雰囲気があって良かった。
戦いの際、銃を撃ち込んだバイクが、派手に爆破していくアホっぽさがアメリカ的である。
ロック映画という情報で観たが、個人的にはもう少し音楽を前面に押し出してほしかった。
バトルになったら、謎のバンドが現われて激しく演奏したりとか。
このくらいファンタジーをやっても許される世界観なので、もっとむちゃくちゃにテンションを上げてほしかった。
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ストリート・オブ・ファイヤーの作品情報
■監督:ウォルター・ヒル
■出演者:マイケル・パレ ダイアン・レイン ウィレム・デフォー エイミー・マディガン
■Wikipedia:ストリート・オブ・ファイヤー(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):67%
AUDIENCE SCORE(観客):70%
ストリート・オブ・ファイヤーを見れる配信サイト
U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2020年12月現在