映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑨組織のなかで

配信ドラマ『梨泰院クラス』ネタバレなしの感想。大企業の御曹司に人生をムチャクチャにされた男の復讐劇

投稿日:

■評価:★★★★☆4

「弱者と権力者」

【映画】梨泰院クラスのレビュー、批評、評価

2017年から2018年まで連載されたチョ・クァンジンによる韓国の同名ウェブ漫画を原作とする、Netflixドラマ。
最終回の視聴率は16.5%を記録し、JTBC史上3位、韓国のケーブルテレビ史上7位の高視聴率となった(2020年時点)

国内最大外食企業・(長家)チャンガ・グループに勤める父親の転勤である田舎に引っ越した高校3年生のパク・セロイは、転校先の学校で〝神〟と呼ばれるチャンガグループの御曹司チャン・グンウォンに出会う。 正義感の強いセロイはグンウォンの傍若無人な言動に我慢できず、一発殴ってしまい退学処分。そのせいで、父親は20年間勤めていたチャンガを辞める羽目になる。さらにグンウォンが起こした交通事故で父を亡くしたセロイは、グンウォンに暴力を振るい、刑務所行きとなる。チャンガグループを倒すと心に決めたセロイは、梨泰院で「タンバム」という小さな居酒屋を開き、仲間たちと共に再起を目指す。

これは面白い。
2020年、芸能人やYOUTUBERが、散々『梨泰院クラス』についてメディアで言及していたが、これほど話題になる理由に納得だった。

まず、キャラクターが魅力的。
主人公のパク・セロイは、警察官に憧れる正義感剥き出しの男子高校生。
仲間思いだし、仲間を守るためだったら、容赦なく、敵をぶっ飛ばす。
まるで少年ジャンプの主人公のような、「勇気」「努力」「根性」を兼ね備えた完璧すぎるヒーロー。
パク・セロイ自身、あるいは仲間にピンチが訪れても、パク・セロイが何とかしてくれる感がたまらない。
漫画が原作らしい、分かりやすいキャラ造形。

特に印象的だったのは、3話。
パク・セロイの店がピンチのとき、因縁の敵であるグンウォンが現れる。
このときのパク・セロイの対応法には痺れた。
まるで小年マンガのピュアさかつ、強さが炸裂する。
このシーンによって観客だけでなく、周りのキャラクターたちもパク・セロイに惹かれる。
パク・セロイの魅力が炸裂した最高のシーン。

もちろん魅力的なのはパク・セロイだけではない。
2~3話辺りから、イソという、インフルエンサーの女の子が出てくる。
頭が良いが、ソシオパス(社会に適応することが難しい恒常的なパーソナリティ障害)のため、何をするのかわからない危うさがある。
このキャラが絶妙すぎる立ち位置。
いわゆるトリックスターでやりたい放題。
※トリックスターは善悪を超越するムチャクチャな存在。往々にして主人公の運命を掻き乱す。

パク・セロイの味方をすると思いきや、パク・セロイのとあるチャンスも潰しに掛かるというむちゃくちゃっぷり。
だからこそ面白い。
物語の定石的な流れを、あざ笑うようにぶっ壊す。
特に序盤は、イソがどんな行動を起こすのかには、ついつい注目して見てしまう魅力がある。

敵も良い。
チャンガの会長のチャン・デヒがボスなのだが、まあ存在感が強烈。
分かりやすい悪人で、無慈悲にパク・セロイを追い込む。
この徹底した悪っぷりが素晴らしい。

だからこそ、後半、チャン・デヒの身に起きるとあることが発生するのだが、これに対するパク・セロイの対応についつい、観客のテンションがあがる。
このエピソードの詳細は実際に見て、確かめて欲しい。

話がシンプルで分かりやすいのも良かった。
本作は所謂、復讐ものである。
序盤でパク・セロイの父がグンウォンの運転で命を奪われる。
普通の物語の復讐といったら、命を奪うのが定石である。
だがパク・セロイが誓った復讐が、居酒屋を作って、ビジネスでチャンガを撃退するというもの。
この復讐の手段がドロドロさ皆無の清涼感で良いし、パク・セロイの健全なキャラが表れている。

特に印象的だったのはグンウォンのイニシエーション。
序盤のグンウォンはまだ子供だが、いずれはチャンガを継ぐ運命。
そこで、子供であるグンウォンに、チャン・デヒがとんでもないイニシエーションをやらせる。
これがインパクトが強烈ですごい。

5話から、本格始動といった感じ。
正直、後半の恋愛パートは面白くない。
綺麗すぎる展開で、共感指数がかなり低い。
だが、終盤に向けての恋愛以外の本編の展開は、面白いので問題ない。
長い物語ではあるが、めちゃくちゃ面白いし、万人受けする内容なのでみんなにお勧めしたい。

弱者VS権力者の対立構造映画のおすすめはコチラ。

■ビー・デビル

■沈黙ーサイレンスー

■トガニ 幼き瞳の告発

■パラサイト 半地下の家族

梨泰院クラスの作品情報

■演出:キム・ソンユン
■出演者:パク・ソジュン キム・ダミ ユ・ジェミョン クォン・ナラ
■Wikipedia:梨泰院クラス
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):-
AUDIENCE SCORE(観客):88%

梨泰院クラスを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:-
TSUTAYA TV:-
Netflix:○(見放題)
※2021年3月現在

-⑨組織のなかで

執筆者:

名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。