■評価:★★★☆☆3.5
「絆」

【映画】新しき世界のレビュー、批評、評価
韓国では青少年観覧不可(19歳以上観覧可)でありながら、観客動員468万人を記録し、ハリウッドでのリメイクも決定している犯罪映画。
韓国最大の犯罪組織ゴールドムーンの理事であるイ・ジャソン。彼はゴールドムーンの幹部である華僑の兄貴分、チョン・チョンの右腕として働いている。しかし、ジャソンの正体はカン課長に潜入捜査を命じられた警察官だった。ジャソンの正体を知るのは、カン課長、連絡役のシヌ、コ局長の3人だけ。長年に及ぶ潜入捜査の中で、ジャソンは次第に警官の職務とチョン・チョンをはじめとするヤクザの兄弟分たちとの絆の間で揺れ動き、苦悩するようになっていた。
むさ苦しい男たちがぶつかる犯罪映画で、結構、楽しかった。
主人公の上司にあたる刑事をチェ・ミンシクが演じており、相変わらず、存在感は際立っている。
チェ・ミンシクといったら、『悪魔を見た』での演技が強烈である。
気になる女を手当たり次第、強姦する、極悪非道の極みを見せるサイコキラーを演じている。
だが本作では、正反対である刑事を演じている。
それでも、異様な存在感を放っているのだから、彼の役者としての資質の高さを実感させられる。
だが、本作でもっと印象的だったのは主人公のイ・ジャソンが潜入しているマフィアの兄貴分に扮するファン・ジョンミン。
ファン・ジョンミンは、『国際市場で逢いましょう』では家族を守る好青年であったり、『工作 黒金星と呼ばれた男』では北朝鮮に潜入する実在のスパイを演じる。
正義の役が多いファン・ジョンミンだが、本作では悪役。
まるで正反対の役なのに、本物のマフィアにしか見えないから凄い。
気に入らないことがあれば舎弟をぶん殴るし、人の命を奪う行為にも躊躇いがない。
飄々とした態度から異様なオーラを垂れ流している。
完全に主役を食っている。
チェ・ミンシクとファン・ジョンミンの存在感が強烈なせいで、主役の印象が掻き消されてしまい、可哀想である。
特に本作で印象に残っているシーンは、ラストの回想。
最近はラストで回想を流すのが流行っているのか、良く見掛ける。
本作もラストの回想は良かった。
あのラストによって、すべてが美しく思えるのだから不思議である。
不満な点があるとするならば、男臭さである。
個人的には、男臭い映画が好みではない。
女性キャラが少ないせいで華やかさに欠ける。
だが、本作はファン・ジョンミンの怪演を見るだけでも価値がある。
犯罪映画のおすすめはコチラ。
■悪魔を見た
新しき世界の作品情報
■監督:パク・フンジョン
■出演者:イ・ジョンジェ チェ・ミンシク ファン・ジョンミン パク・ソンウン ソン・ジヒョ
■Wikipedia:新しき世界
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):63%
AUDIENCE SCORE(観客):86%
新しき世界を見れる配信サイト
U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(Blu-ray)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2021年4月現在