映画の海

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映画『テロ,ライブ』ネタバレなしの感想。ラジオアナウンサーがテロの脅迫電話を受け、生中継をする

投稿日:

■評価:★★★★4

「権力に抗う弱者」

【映画】テロ,ライブのレビュー、批評、評価

韓国のテレビ局SNCからラジオ局に左遷された元国民的アナウンサーのユン・ヨンファは、朝の生放送のニュース番組中に「パク・ノギュ」と名乗る人物から漢江にかかる麻浦大橋を爆破するという脅迫電話を受ける。いたずら電話と決めつけて電話を切ったヨンファだったが、その直後、麻浦大橋が爆破される。テロ事件だと確信したヨンファは犯人の通話を独占生中継する約束を取り付け、スクープを入手したことでテレビ局への返り咲きを上層部に約束させる。

ラジオ局のブース内のみで展開されるワン・シチュエーション・ドラマ。
個人的にワン・シチュエーション・ドラマは好みではない。
というのも、映画には、豪華でダイナミックな映像を求めているところがある。
そのため、世界観の小さいワン・シチュエーション・ドラマは私が求めている映画像とは異なる。

そんな感じで期待せずに鑑賞したのだが、思った以上に面白くてビックリした。
ワン・シチュエーション・ドラマといっても、テレビを通じて、外での爆発現場の様子が描かれる。
そのため、杞憂だった世界観の小ささは特に感じず、観られたのが良かった。

本作の素晴らしい箇所は、緊迫感。
上演時間98分という短さだが、最初から最後までずっと緊迫感が持続している。
矢継ぎ早で新しい展開が訪れるので、観客からしたら落ち着いている暇がない。
展開も想定できる類いではないので、ついつい画面にのめり込んで鑑賞してしまう。
脚本家が時間をかけてシナリオを練り込んだのだろう。
完成度の高いシナリオで素晴らしい。

あと、本作で興味深かったのは主人公の造形。
主人公のヨンファは、没落した地位を奪還するため、事件が発生してもすぐに警察には通報せず、半ば強行的に中継を行う。
犯人との通話を独占放送することで、視聴率を獲得することが狙いである。

自分の欲望のための行動なので、正義の味方とはほど遠い。
つまり、ノワール物である。
悪役寄りの造形なので、正直、ヨンファにはあまり感情移入できない。
そのため、観客からしたら「ヨンファが真人間に成長してほしい」といった願望を抱きながらの鑑賞となる。
そして迎えた結末がとんでもない。

韓国映画らしい強烈な結末だが、良かった。
この斜め上の行く結末のせいで、私は死ぬまで本作を忘れることはないだろう。
そのくらいインパクトのある最後を見せてくれた。

賛否両論は免れないし、受け入れがたい人も多いだろう。
だが、個人的にはかなり好き。

緊迫感のあるスリラー映画のおすすめ作品はコチラ。
■チェイサー

■ミスミソウ

■ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦

■ゲット・アウト

テロ,ライブの作品情報

■監督:キム・ビョンウ
■出演者:ハ・ジョンウ イ・ギョンヨン
■Wikipedia:テロ,ライブ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):-
AUDIENCE SCORE(観客):73%

テロ,ライブを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(DVD)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2021年5月現在

-①家のなかのモンスター

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。