映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』ネタバレなしの感想。かつてのスター俳優がブロードウェイ進出を決断する

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■評価:★★☆☆☆2

「中年の危機」

【映画】バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のレビュー、批評、評価

『アモーレス・ペロス』『21グラム』『バベル』『レヴェナント: 蘇えりし者』の アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の2007年公開のドラマ作品。
第87回アカデミー賞でも最多9部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞と4部門を受賞した。

リーガンは落ち目のハリウッド俳優である。かつては『バードマン』という3本のブロックバスター映画でスーパーヒーロー、バードマンを演じ、スターの座を掴んだが、以降ヒットに恵まれぬまま20年以上が経過し60代となった。家庭では、仲違いのために妻のシルヴィアとは離婚し、娘のサムは素行不良の挙句薬物に手を染めていた。リーガンはアーティストとしての自分に存在意義を見いだそうと、ブロードウェイ進出という無謀な決断をする。また、自分の娘で、薬物依存症から回復したばかりのサムをアシスタントとして加え、本公演前のプレビュー公演は目前にせまっていた。

いわゆるミドルエイジクライシス(中年の危機)をテーマとして描いている。
中年の危機は、中年期特有の心理的危機、また中高年が陥る鬱病や不安障害を指す。
例えば家族の死、離婚、子育てについてなど、中年期において避けられないハードルに悩み、苦しむ。

若い頃にヒーロー映画に主演し、スターとなった。
だがキャリアを重ねるにつれて、ヒット作に恵まれず、葛藤を募らせる俳優が主人公リーガンを本作は描く。

結論から言うと、本作はあまりハマれなかった。
そもそもリーガンは、一度は成功している。

成功から没落した経験を私は持たないため、まったくもって共感できないのだ。
彼に共感できる観客はかなり絞られるのではないだろうか。
そのため、物語に没頭できず、最後まで遠くで何かが行われているような一定の距離を持った状態での鑑賞に至った。

そもそも「中年の危機」というテーマは、客層が狭すぎる気がする。
対して、青春期の危機なら共感できる人は多い。
例えば初めての失恋やいじめ、入学したての学校に馴染めないなど。
青春期はほとんどの人が経験しているので、共感でしやすいのだ。

中年の危機の描いた名作といったら、同じくアカデミー賞を受賞している『アメリカン・ビューティ』。
年頃の娘を持つ父親が主人公。
仕事をばりばりこなす浮気症の妻や、自分を小馬鹿にする娘との間に溝がある男が主人公。
ある日、仕事をクビになることで爆発する姿を描く。

『アメリカン・ビューティ』は家庭不和という中年の危機を描いているので、まだ共感できる部分はある。
なぜなら、家庭の中で居心地の悪そうな父親の姿を、私は子供の視点ながら、見ていた記憶があるから。
だが本作はヒーロー映画でもてはやされた俳優の没落、といった種類の危機を描く。
この設定で共感するのは難しい。

『アメリカン・ビューティ』も、分かりやすく楽しめる映画ではない。
主人公の取る行動に共感できない部分は多いから。
だが、私が『アメリカン・ビューティ』を好きなのはキャラクターが魅力的だからである。

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は魅力的に思えるキャラクターが少ない。
さらにヒーロー映画でスターになった俳優の没落、といった題材はアメリカ特有のもののような気がする。
日本であれば、「子役時代に人気者だったが、大人になるにつれて仕事がなくなった」みたいなキャラクターのが入り込みやすい。

中年の危機を描いた作品のおすすめはコチラ。

■家族を想うとき

■運び屋

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)の作品情報

■監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
■出演者:マイケル・キートン ザック・ガリフィアナキス エドワード・ノートン エマ・ストーン エイミー・ライアン ナオミ・ワッツ
■Wikipedia:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):91%
AUDIENCE SCORE(観客):78%

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)を見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)○(字幕・見放題)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2021年6月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。