映画の海

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⑤人生の節目

映画『ここは退屈迎えに来て』ネタバレなしの感想。帰郷した27歳の「私」が高校時代に憧れだった男に会いに行く

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■評価:★★★☆☆3.5

「地方都市の閉塞感」

【映画】ここは退屈迎えに来てのレビュー、批評、評価

『ヴァイブレータ』 『ストロボ・エッジ』『オオカミ少女と黒王子』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の廣木 隆一監督の2018年公開の青春映画。

27歳の「私」(橋本愛)は、何者かになりたくて東京へ出たものの、10年が経ちなんとなく地元に戻ってきた。実家に住みながらフリーライターとしてタウン誌の仕事をしている「私」は、カメラマンの須賀(村上淳)と組むことが多い。取材終わりに、高校時代に仲が良かったサツキ(柳ゆり菜)と合流し、なぜか須賀の車で当時みんなの憧れの的だった椎名(成田凌)に会いに行くことに。道中で懐かしいゲームセンターを見つけて立ち寄ると、たまたま帰省中だという同級生の新保(渡辺大知)と再会する・・・。

かなり面白かった青春映画。
高校を卒業して十年後、主人公の一人である「私」がかつて人気者だったスクールカーストの頂点に君臨していた「椎名」に会いに行く物語。

本作は群像劇となり、3人くらいの主人公の視点が交互に切り替わって描かれる。
とくに序盤、それぞれの主人公が、いかに椎名は魅力的で人気者だったかを語る。
そのため、『桐島、部活やめるってよ』を連想させる。

『桐島、部活やめるってよ』は、スクールカーストの頂点に君臨していた桐島が、スクールカーストの頂点の象徴ともいえるバレーボール部を突如、辞める。
この事実に衝撃を受けたスクールカースト上位勢のメンタルが揺らぎ、スクールカーストのピラミッドが崩れ始める。
「本当のリア充は誰なのか」を語る物語。
肝心の桐島は画面には一切登場せず、周りのキャラクターに語られるだけ、といった面白い手法で捕られている。

だが、本作はちゃんと「椎名」は出てくる。
「椎名」と、それぞれの主人公との交流を描いている。
10年の月日が流れ、果たして憧れだった椎名は、閉鎖的な田舎でどのような姿に変貌を遂げているのか。

良かったのは、みんな、それぞれ椎名との付き合い方が異なるところ。
椎名にべったりくっつき、分かりやすく「好き」を表現する女性。
あるいは「椎名」にはまったく興味がなく、まるで「椎名」とは真逆のようなオッサンとイチャイチャするキャラクターもいる。

前々回の記事で、『バケモノの子』のレビューを書いた。
『バケモノの子』のキャラクターの描き方のしょぼさについてを書き殴ったが、本作はまるで逆。
魅力的なキャラクターが多いので、自然と、画面に食い入って鑑賞してしまった。
個人的には、この個性的なキャラクターは絡み合って、想定外の結末を迎えて欲しかった。

だが本作の原作は連絡短編集なせいか、それぞれの主人公が大きく絡むことない。
それぞれの主人公の独立した物語が描かれる。
そのため、終盤に向けての爆発力が皆無。
起伏のない緩やかな展開だったので、そこが唯一の不満。

あと、本作は、幸せになる者とそうでない者が、分かりやすく描き分けられている。
恐らくだが、「自分の中の感覚を大切にしていると、そうじゃない人」で、幸せになるかどうかを描いているんだろうなあと思った。
キャラクターがユーモラスなので、青春映画としては好きな部類だった。

青春映画のおすすめはコチラ。

■チワワちゃん

■小さな恋のうた

■志乃ちゃんは自分の名前が言えない

■スウィート17モンスター

■レディ・バード

ここは退屈迎えに来ての作品情報

■監督:廣木隆一
■出演者:橋本愛 門脇麦 成田凌 マキタスポーツ 村上淳
■Wikipedia:ここは退屈迎えに来て

ここは退屈迎えに来てを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(有料)、原作はコチラ
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2021年6月現在

-⑤人生の節目

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。