映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑥バディとの友情

映画『アデル、ブルーは熱い色』ネタバレなしの感想。平凡な女子高生が青髪の女性と出会い、自身のセクシャリティを認知する

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■評価:★★★☆☆3

「LGBT」

【映画】アデル、ブルーは熱い色のレビュー、批評、評価

フランスのグラフィックノベル『ブルーは熱い色』を原作とする恋愛青春ドラマ。
第66回カンヌ国際映画祭にて、最高賞であるパルム・ドールを獲得。

高校2年生のアデルは、文系クラスの授業でマリヴォーの『マリアンヌの生涯』の精読から「一目惚れ」とは何かを、ギリシャ悲劇『アンティゴネ』から「幼さとの決別」とは何かを、ポンジュの『物の見方』を学ぶ文学少女だった。アデルは現代の若者らしく、女友達と恋愛の話をしたり、デモに参加したりする。1年年上のトマと恋愛をするが、街で一瞬すれ違ったブルーの髪の女性の姿が忘れられず、結局トマに別れを告げた。何か充たされない気持ちのアデルは、ある日、親友の一人ベアトリスからキスされる。翌日、彼女とキスを交わすが、恋愛感情はない事を告げられ、アデルは涙を流す。男友達のヴァランタンは、そんなアデルをLGBTが多く集うバーへ誘う。そこで、彼女はブルーの髪の女性:エマと出会う。

所謂LGBTもの。
パルム・ドールを受賞していた作品なので、かなり期待して鑑賞した。
だが、期待したほど心を揺さぶられる内容ではなかった。

上映時間が3時間近いのも、なかなか辛い。
フランス映画なだけあって、邦画のように淡々と慎ましく、ドラマが描かれる。
物語の展開に劇的さがなく、全体的にトーンが平坦なので3時間、集中し続けるのは、さすがに辛い。

あと、本作は物語自体に新鮮味が感じられないのも気になる。
アデルがレズビアンとして認識し、青髪の女性・エマに惹かれる。
エマと上手くやっていくが次第にズレを感じ……、といった展開。

序盤の、徐々に自分自身がレズビアンとして認識していく流れは丁寧に描かれていた。
だが、あまりに設定が普通だし、キャラクターも普通。
次の展開が気になるようなことがない。

例えばアカデミー賞にノミネートされた同じくレズビアンものの『キャロル』は良かった。
本作と違って、恋人同士となる二人の女性は大人。
しかも一人は結婚している。
既婚者の女性のほうは、見た目が美しく、上品。
だが、夫とは離婚話が進展していて、娘の養育権問題を抱える。
ストレスも含め、逃げるように知り合ったデパート勤務の女性と深い関係になる。
だが、夫は、娘の養育権の獲得のため、二人の関係をダシにする。
『キャロル』は二人のキャラクターが魅力的だったし、悪役である夫もいい感じに邪魔してくる。
そのため、ついつい二人が上手くいくように応援してしまう。

だが、『アデル、ブルーは熱い色』は『キャロル』ほど物語に入り込めなかった。
アデルは青髪の女性であるエマとケンカをするシーンがある。
このケンカのシーンもいまいちピンと来ない。

他にも、序盤で友人と大ケンカをしたりする。
だが、なぜそこまで大げんかになるのか意味が良くわからない。
「子供だから」と言えばその通りなのだが、映画にすると、この子供じみた対立がマイナスに映る。

例えば、近い内にレビューする予定である『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』という映画がある。
この映画は、元々レストランで働いていたシェフの主人公が、オーナーとケンカして店を辞めてフードトラックを始める。
このときのケンカは、主人公がめっちゃキレる。
だが理由に納得できる。
主人公はシェフとしてのプライドを守るため、自分を理解してくれないオーナーにキレるから。

だが、『アデル、ブルーは熱い色』では、なぜ友人達がレズビアンの疑惑があるアデルに、そこまで辛辣に挑発し、攻撃するのか意味がわからない。
相手の大事にしているものを踏みにじっちゃった、みたいなもっと分かりやすい理由でぶつかり合ってくれたほうが観客の心を掴んでくれる。
悪い映画ではないけど、前評判の期待を越えるほどではなかった。

あと、映画とは関係ないが、エマの顔をどこかで見たことがあると思った。
記事を書くにあたって色々と調べていたら、PS4のゲーム『デス・ストランディング』に出演していた。
エマは存在感のあるキャラクターではあるので、『デス・ストランディング』の監督・小島秀夫は本作を見て、オファーを出したのかもしれない。

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アデル、ブルーは熱い色の作品情報

■監督:アブデラティフ・ケシシュ
■出演者:アデル・エグザルホプロス レア・セドゥ
■Wikipedia:アデル、ブルーは熱い色(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):89%
AUDIENCE SCORE(観客):85%

アデル、ブルーは熱い色を見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(有料)、原作はこちら
TSUTAYA TV:-
Netflix:○(見放題)
※2021年7月現在

-⑥バディとの友情

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。