映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑩スーパーヒーロー

『#薬の神じゃない!』白血病の非合法ジェネリック薬を輸入して金儲けする男を描く

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■評価:★★★★☆4

「自己犠牲の尊さ」

【映画】薬の神じゃない!のレビュー、批評、評価

2014年に中国で実際に起きたニセ薬事件をモデルにして作られた2020年公開のコメディ・ドラマ映画。

上海で、男性向けの回春薬を売る小さな店主チョン・ヨン(程勇)は、店の家賃さえ払えず、妻にも見放され、人生の目標を見失っていた。ある日、「血液のがん」である慢性骨髄性白血病患者リュ・ショウイー(呂受益)が店に訪れる。国内で認可されている治療薬は非常に高価であるため、安価で成分が同じインドのジェネリック薬を購入してほしいという依頼だった。最初は申し出を断ったものの、金に目がくらんだチョンは、ジェネリック薬の密輸・販売に手を染め、

香港映画や台湾映画ではなく、久しぶりに中国映画を鑑賞したが、面白い。

本作は、白血病の違法ジェネリック薬をインドから輸入して金儲けをするというストーリー。
史実に基づいた内容のため、シリアスな題材である。
緊迫感のある雰囲気で描いてもおかしくないのだが、本作はキャラクターがデフォルメされたコメディタッチで描かれている。
そのため、過剰に深刻にならず、キャラクターたちの軽いノリのおかげで、楽しく鑑賞できた。

さらに素晴らしかったのが、中盤以降の思わぬ展開である。
本作は、巷で良く見掛ける、犯罪を犯して金儲けをする悪い主人公による教訓系の物語かと思っていた。
だが、違う。
本作が最も描きたかったであろう中盤以降の展開は想定外だった。
すっかりと主人公を応援してしまった。
つまり、「自己犠牲」というテーマをきれい事に感じさせずに描いているのが素晴らしい。

最近、会社の人のすすめで、週刊少年ジャンプに連載中の人気王道バトル漫画『僕のヒーローアカデミア』を読んでいる。
『僕のヒーローアカデミア』は「個性」という特殊能力が存在する世界の物語。
この世界では個性を駆使したヒーロー業が当たり前に存在し、個性を悪用する悪役(ヴィラン)を退治する。

だが、主人公は残念ながら個性が芽生えなかった「無個性」の人間。
それでも「自己犠牲」の精神で活躍するヒーローに憧れ続ける。
毎日ヒーローメモをつけて、ヒーローになるために勉強し、家にいるときはヒーローニュースを毎日チェックする。
そんな無個性の主人公が「個性」を獲得し、一人前のヒーローになるという物語。

普通、「自己犠牲」をテーマにした物語なんて、嘘くさく見えてしまい、キレイ事に感じてしまって見るに堪えられない。
だが、『僕のヒーローアカデミア』はヒーローといった題材を用いることで、「自己犠牲」のテーマをうまく描いていて感心した。
対して『薬の神じゃない!』は「史実」の題材を用いることで、嫌味なく「自己犠牲」を描いている。

現実、「自己犠牲」をする本人は損しかない。
そのため、「自己犠牲」をしてまで人助けをする人は皆無である。
だが、本作の主人公は本当に素晴らしい人間で、心が震えた。

実話に基づいた救世主を描くおすすめ作品はコチラ。

■アンストッパブル

■パッドマン 5億人の女性を救った男

■タクシー運転手 約束は海を越えて

薬の神じゃない!の作品情報

■監督:ウェン・ムーイエ
■出演者:シュー・ジェン(徐崢)
ワン・チュエンジュン(王伝君)
ジョウ・イーウェイ(周一囲)
タン・ジュオ(譚卓)
チャン・ユー(章宇)
ヤン・シンミン(楊新鳴)
■Wikipedia:薬の神じゃない!
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):86%
AUDIENCE SCORE(観客):96%

薬の神じゃない!を見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2021年8月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。