■評価:★★★☆☆3.5
「ミステリーって面白い」

【映画】アイデンティティーのレビュー、批評、評価
『17歳のカルテ』『ナイト&デイ』『ウルヴァリン: SAMURAI』『LOGAN/ローガン』『フォードvsフェラーリ』のジェームズ・マンゴールド監督による、2003年公開ミステリー映画。
死刑囚マルコム・リバースの死刑執行前夜、彼の死刑執行に関して再審議が行われようとしていた。一方、大雨で身動きが取れなくなった男女11人が、とある寂れたモーテルに立ち往生していた。偶然居合わせた彼らは何者かに襲われ、次々と殺されて行く。現場には部屋番号の書かれた鍵がまるでカウントダウンするように残されており、彼らは自分たちの中に凶悪犯殺人犯が混じっていると気付く。それと同時に、運転手のエドは連続殺人に奇怪さを感じ始めていた。
十年近く前に初鑑賞したが、当時は良く、意味が理解できなかった。
それでも、本作は、評価の高い映画なので、再視聴した。
結論から言うと、やっぱり完璧には理解できなかった。
だが、2回目の鑑賞ということもあって、大枠の意味は理解できたし、面白い展開の映画だった。
本作で最も興味深いのが、2つのエピソードの関係性である。
1つは、とある死刑囚の再審議が行われるエピソード。
大雨のせいでモーテルに閉じ込められた11人が何者かに命を奪われるエピソードがもう1つ。
関連性が皆無に思える、まるで属性が異なる二つのエピソード。
だが、物語が進むと、これらの関連性の一致が面白いくらいに納得できるのだ。
この興味深い設定を作った脚本家が素晴らしい。
分かりづらかった理由の一つは、二つのエピソードの関連性のネタバレが語られた後も、引き続き、平行して描かれる点にある。
そのせいで「あれ? 本当はどうなんだ?」と深く考えてしまったせいで、最後まで見て、頭に?マークが浮かんだ。
だが、深く考えずに、劇中内で語られたことをそのまま真に受けたら、スムーズに理解できると思う。
あと、ドンデン返しの使い方も非常にうまい。
というのも、ミスリードを、まるで手足のように操って行っているのだ。
ミステリー映画なので、詳細は語りすぎないようにしたいが、とにかく脚本家の物語作りが凄い。
相当にミステリー小説やミステリー映画をインプットして、自分の中で体系化しているんだと思う。
騙されたい人はぜひとも鑑賞してもらいたい。
クリエイティビティに富んだ、質の高いミステリー映画である。
あと、DVDが発売した当時、本作と同じようなどんでん返しミステリーとして『閉ざされた森』も話題になっていた。
森林地帯で特殊訓練に参加した7名のレンジャー隊員が消息を絶ち、生還した隊員2名の証言によって事件の全貌が明らかになるミステリー。
当時は、『閉ざされた森』か『アイデンティティー』か。
といった同じ並びで紹介されていたが、個人的には、圧倒的に『閉ざされた森』のほうが上。
『閉ざされた森』は登場人物が多くて理解しづらい物語ではあった。
だが、どんでん返しっぷりが激しく、当時の私は呼吸の仕方を忘れるほどにびっくりした記憶がある。
どんでん返しのあるおすすめ作品はコチラ。
■テロ,ライブ
■エクス・マキナ
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アイデンティティーの作品情報
■監督:ジェームズ・マンゴールド
■出演者:ジョン・キューザック
レイ・リオッタ
レベッカ・デモーネイ
■Wikipedia:アイデンティティー
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):62%
AUDIENCE SCORE(観客):75%
アイデンティティーを見れる配信サイト
U-NEXT: ○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)
TSUTAYA TV:○(見放題)
Netflix:-
※2021年10月現在