映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『この自由な世界で』ネタバレなしの感想。シングル・マザーが職業紹介所を起業し、不法移民を働かせる違法行為を働く

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■評価:★★★★☆4

「イギリスの労働者事情と移民問題」

【映画】この自由な世界でのレビュー、批評、評価

『ケス』『リフ・ラフ』『大地と自由』『麦の穂をゆらす風』『SWEET SIXTEEN』『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』のケン・ローチ監督による2008年公開の社会派ドラマ映画。

1人息子のジェイミーを両親に預けて働く、シングル・マザーのアンジー。 仕事がうまくいったら息子と一緒に暮らすつもりでいた。彼女は思い切って、自分で職業紹介所を始める。仕事の内容は、外国人の労働者を企業に紹介することだった。必死にビジネスを軌道にのせるアンジー。しかしある日、不法移民を働かせる方が儲けになることを知る。そして、彼女は越えてはいけない一線を越えてしまう。

めちゃくちゃ興味深く鑑賞できた社会派ドラマ。
主人公のシングルマザーのアンジーは小学生の息子のためにお金を稼がなきゃいけない矢先に、勤務先の職業紹介所から、不条理なクビ宣告を食らう。
そんな会社の人間関係にうんざりしたアンジーは、経験のあった職業紹介所業で起業する。
アンジーのあまりの不憫な人生に、観客はすぐに感情移入してしまう。

こんな感じで展開が非常にシンプルで分かりやすいのが素晴らしい。
他にも、アンジーが起業したての頃、不法移民を働かせることで多くの収入を得られる情報を耳にする。
最初は拒んでいたが……

といった感じで、「そっちにいったら絶対にダメ!」と思ったほうに、アンジーはどんどん進んでいく。
わかりやすいストーリー展開なので、誰でも物語に入り込める。

重くなりがちな社会派をテーマとした物語は、わかりやすい物語に限る。
変に専門用語が大量に飛び交ったり、まったく楽しめない地味で抑揚のないストーリー展開をされたら、社会派のみならず、普通の映画でも退屈である。
その点、本作は分かりやすい物語だし、共感しやすいキャラクター作りを心がけられている。

本作はカンヌ、ベルリンと並ぶ、三大国際映画祭の1つ、ヴェネツィア国際映画祭で脚本賞を受賞している。
納得の出来映えである。

個人的には、主人公のアンジーがやたらと色っぽいのが良かった。
職業紹介所を題材とする物語なので、職を探しにやってくる連中はむさいオッサンばかりである。
そんな中で、アンジーの色っぽさが、良い感じに映像に華を添えている。
エンタメとしての要素を担っているので、変にお堅いだけになっていない華やかな雰囲気が良い。

相棒の存在も良かった。
相棒である黒人女性は、アンジーの唯一の理解者。(アンジーの親は仕事を批判している)
アンジーが一線を越えるような変な突っ走るさまを見せると、相棒が止めにかかる。
相棒の存在が、よりアンジーの行動のやばさをわかりやすく表現している。
結果的に、理解しやすい物語に仕上がっている。

楽しめる社会派映画は貴重である。
ケン・ローチは85歳というご高齢っぷりではあるが、今後も映画を撮り続けてもらいたいもの。

印象に残る社会派のおすすめ作品はコチラ。

■薬の神じゃない!

■子宮に沈める

■トガニ 幼き瞳の告発

この自由な世界での作品情報

■監督:ケン・ローチ
■出演者:カーストン・ウェアリング
ジュリエット・エリス
■Wikipedia:この自由な世界で
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):86%
AUDIENCE SCORE(観客):71%

この自由な世界でを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(DVD)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2021年10月現在

-⑤人生の節目

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。