■評価:★★★☆☆3
「ライトスタッフ(己にしかない正しい資質)」

【映画】ライト・スタッフのレビュー、批評、評価
トム・ウルフによる同名のドキュメンタリー小説「ザ・ライト・スタッフ」を原作とする1984年公開のドラマ映画。
第56回アカデミー賞において作曲賞(ドラマ)、編集賞、音響効果賞、録音賞の4部門を受賞。
1947年のアメリカ、モハーベ砂漠の中にあるエドワーズ空軍基地。テストパイロットのチャック・イェーガーはロケット機ベルX-1を駆り危険なテスト飛行に挑み、ついに音速の壁を破る。やがて、ソ連の世界初の人工衛星スプートニク1号打ち上げ成功の緊急ニュース(スプートニク・ショック)が届く。慌てた政府は、新たにアメリカ航空宇宙局(NASA)を創設して、各軍の精鋭パイロットから宇宙飛行士候補者を募る。空軍のイェーガーやその仲間は大卒ではないため不適格とされたが、他の優秀なパイロットらが応募・招集され、厳しい検査を経て7人(マーキュリー・セブン)が選ばれる。
有人宇宙飛行計画”マーキュリー計画”に従事した、7人の宇宙飛行士の実話を基に描いた作品。
マーキュリー計画は、多くの人が耳にしたことのある人類月面着陸計画”アポロ計画”の序章となる計画にあたる。
本作を見た経緯は、クリストファー・ノーラン監督の発言による。
私は、クリストファー・ノーランの『インターステラ―』が大好き。
今まで1200本以上もの映画を見てきた中で、最も好きな映画の一つである。
インターステラーは、荒廃化が進む地球が舞台。
元宇宙飛行士の主人公が、NASAの指令によって宇宙を旅し、人類が住める星を調査する、といった内容。
まるで宇宙版ロードムービーといった内容で、映像としてのスケール感、音楽、ストーリーに役者の演技と、どれも一級品の傑作である。
『インターステラ―』を制作するにあたって、スペースドラマの手本として、本作『ライトスタッフ』をスタッフに見せたそう。
どんな内容かと期待して鑑賞したが、思っていた以上に地味な内容だった。
宇宙に行ってからが本番である『インターステラ―』に対して、『ライト・スタッフ』は宇宙に行くまでが本編となっている。
(クライマックスにちょろっと宇宙の映像が流れる程度)
本作のメインとして描かれるのは、パイロット候補生たちによる厳しい適性試験だったり、NASAとの衝突など。
興味深い題材ではあるが、史実に基づいた作品ということもあり、想定外の展開があるわけでもない。
物語としても起伏も抑えめで、かなり退屈だった。
実際に、宇宙に行ってからのシーンはさすがにテンションが上がった。
『インターステラ―』ほどの美しい映像ではないが、やっぱり宇宙の映像は異様なスケール感を感じさせてくれる。
あと、宇宙飛行士と対比して、イエーガーという戦闘機パイロットの、孤独な己との戦いも平行して描かれる。
音速の壁を試みたり、あるいはソ連が持つ高度記録に挑むため、一人で最新の戦闘機に乗り込んで空に向けて突き進む。
異なる勇気ある生き方をする者をたたえるテーマとして描かれているらしいが、正直、そんなに響かなかったのでいらない描写だったと思う。
そもそも、この地味な内容に193分という長さは拷問に等しい。
1時間50分くらいに削って、もっとタイトに見やすい物語にしてほしかった。
個としての役割・生き様を描く作品はコチラ。
■レスラー
■ハート・ロッカー
■フリーソロ
ライト・スタッフの作品情報
■監督:フィリップ・カウフマン
■出演者: サム・シェパード
スコット・グレン
エド・ハリス
デニス・クエイド
■Wikipedia:ライト・スタッフ(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):96%
AUDIENCE SCORE(観客):90%
ライト・スタッフを見れる配信サイト
U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(字幕・有料)、原作はコチラ
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2021年10月現在