映画の海

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⑨組織のなかで

漫画『定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ~』ネタバレなしの感想。こづかい制で暮らす作者の吉本やその周りの人物を描く

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■評価:★★★★☆4

「お小遣い制」

【漫画】定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ~のレビュー、批評、評価

『ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~』の吉本浩二による、モーニングにて2019年10月10日から現在連載中のコメディ漫画。

「こづかい制」で暮らす作者の吉本やその周りの人物をドキュメンタリー風に描く。

共感性の強い設定が面白い。
家庭の夫や妻が、限られたおこづかいで、いかに楽しく充実した使い方をするのか、をテーマとした漫画。

回によって主人公が変わる一話完結タイプ。
1巻の最初の方は本作の主人公で、著者である吉本や彼の奥さんのこづかいの使い方が描かれる。
先に進むにつれて、こづかい2万円のご近所さんだったり、こづかい2万5千円のバイカーだったり、こづかい3万7千円の編集者らが主人公となり、自らのこづかいの使い道を幸せそうに語る。

一見、限られたおこづかいでシビアに生きているようにイメージをするだろう。
だが、本作は、あくまで「限られたおこづかいで、いかに自らの生活を充実させ、楽しく過ごすか」が語られる。
そのため、悲壮感なく、コミカルに描かれるのが良い。
主人公の吉本は幸せそうではあるが、限られたおこづかいでやりくりしている姿を見て、応援したくなった。
そのため、1巻を数話、読んだ段階で、私は吉本のお小遣いが増えてもらいたくて、ついつい3巻まで一気買いしてしまった。

誰もが限られたお小遣いでひと月を過ごす経験をしている。
私は小学一年生の頃に初めて二百円のお小遣いを貰った。
毎年、学年上がるごとに百円アップしたもの。
お菓子を買ったり、あるいは古本屋でボロボロに朽ちた漫画本を購入したり、何に使うかに、頭を捻らせたもの。

だから、吉本のお小遣いの使い道に頭を悩ませる姿には共感しまくった。
あのホリエモンですら、この漫画を楽しんでいるのだ。
どんな金持ちだろうと、共感ができるのである。

というか吉本の性格も良い。
吉本は酒や煙草をやらず、お小遣いの半分を大好物のお菓子に回す。
必ず、しょっぱ味と甘味を1つずつ用意するのも可愛らしい。
私も酒と煙草をやらず、休みの日は、いつもしょっぱ味と甘味のお菓子を1つずつ決めて食べているので、強く共感したポイントである。

絵も素晴らしかった。
線が太く、どのキャラクターも6等身くらいのデフォルメが強い。
昭和の匂いが漂うノスタルジックな画風。
やけに親しみやすい雰囲気だし、バトル漫画にありがちなごちゃごちゃした描写は皆無。
めちゃくちゃ読みやすいのが最高である。

たまにお小遣いを巡って、奥さんと殺伐とした雰囲気になったりする。
でも子供はノーテンキでニッコニコに描かれるのが、シュール感が増して好き。

個人的には奥さんの回が好き。
奥さんはまるで鬼のようにお金に厳しい。
だが、彼女も決められたお小遣いで小さな幸せを楽しんでいる。
素晴らしい漫画である。

定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ~の作品情報

■著者:吉本浩二
■Wikipedia:定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ~
■Amazon:こちら

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。