■評価:★★★☆☆3.5
「仮面キラー物によるスプラッター映画の面白さ」

【映画】スクリームのレビュー、批評、評価
『エルム街の悪夢』のウェス・クレイヴン監督による1997年公開のホラー映画。
1990年代にスラッシャーというジャンルを復活させ、一連の続編を生み出した『スクリームシリーズ』の第一作。
カリフォルニアの田舎町ウッズボローに暮らす女子高生シドニーの周囲に、ハロウィンマスクをかぶったシリアルキラーが出没する。1年前、何者かに母親を惨殺された過去を持つ彼女は、恋人のビリーが犯人ではと疑い始める。
ホラー映画ファンには有名なゴーストフェイスの仮面を被った、仮面キラー物のホラー映画。
私がとくに好きだった演出は、ホラーをメタ視点で描いている箇所。
どういうことかというと、登場人物にホラーマニアがおり、劇中内でホラーの定石を語るのだ。
例えば、「巨乳のスケベなオンナはすぐに命を奪われる」「処女は命を奪われない」「殺人鬼には大した動機がない」など。
そのため、上記の発言がフリになるので、観客は構えて見るようになる。
本当に、巨乳のホット・ガールは命を奪われるのか、とか、処女である主人公・シドニーは本当に無事に済むのか、など。
上記のメタ発言をすることで、観客には良い感じの緊迫感が走るのだ。
また、キャラクターをちゃんと描いているのもいい。
シドニーは、かつて、母親がサイコパスに強姦され、命を奪われた過去がある。
そのせいで、性交に対して強い抵抗を覚えている。
シドニーには彼氏がいるのだが、彼氏には我慢をさせてしまっているので、どこか、後ろ髪にしかれる思いを感じている。
ホラー映画らしからぬ、細かいキャラ設定があるのはびっくり。
おそらく、相当に脚本を練り上げて作ったのだろう。
アホな学生たちが血祭りに上げられるだけのホラーは退屈なので、良かった。
一応、仮面キラーもの、ということで、ミステリー要素が強い。
つまり、誰が犯人なのか、といった謎が物語りのメインエンジン。
学生以外にも、警官だったり、TV局のアナウンサーだったり、多くの登場人物を疑うことになる。
正直、誰なのかはさっぱり分からないし、最期には明かされるが、大した驚きもない。
個人的には、このメタ視点によるフリと、先の展開が裏切るのか、裏切らないのか、といった思考が楽しい。
本作はホラー的な面白さ、というよりかは、エンタメ的な展開の面白さがツボだった。
そんな感じで、ホラーとしての怖さを求める人には勧められない。
シンプルな学園スリラー的な、エンタメを求める人にぴったり。
仮面キラーもののおすすめ作品はコチラ。
■ハッピー・デス・デイ
スクリームの作品情報
■監督:ウェス・クレイヴン
■出演者:デヴィッド・アークエット
ネーヴ・キャンベル
コートニー・コックス
マシュー・リラード
ローズ・マッゴーワン
スキート・ウールリッチ
ドリュー・バリモア
■Wikipedia:スクリーム
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):79%
AUDIENCE SCORE(観客):79%
スクリームを見れる配信サイト
U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)、○(Blu-ray)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2021年11月現在