映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑤人生の節目

映画『ファーザー』ネタバレなしの感想。認知症に悩まれる男を描く

投稿日:

■評価:★★★☆☆3.5

「認知症の深刻さ」

【映画】ファーザーのレビュー、批評、評価

『羊たちの沈黙』などのレクターシリーズで、レクター役を務めたアンソニー・ホプキンスが主演の、イギリス・フランス合作の2020年に公開のドラマ映画。
第93回アカデミー賞では主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)と脚色賞を受賞した。

アンは80歳になった父親、アンソニーに認知症の兆候が見え始めたのを心配していた。アンソニーにヘルパーを付けようとしたアンだったが、気難しいアンソニーは難癖を付けてはヘルパーを追い出す始末だった。しかし、アンソニーの病状は悪化の一途を辿り、記憶が失われていくだけではなく、自らが置かれた状況すら把握できなくなっていった。困惑するばかりのアンソニーは苛立ちを募らせ、アンに当たることもあった。アンはそんな父親を懸命に支えていたが、気力と体力は消耗するばかりであった。

本作の公開当時は、映画ファンのツイッター界隈で、かなり評判になっていた一作。
話の内容というよりは、主演のアンソニーに扮したアンソニー・ホプキンスの演技に絶賛が集まっていた印象だった。
そのため、鑑賞にいたった。

本作を鑑賞して、意外だったのが、ワン・シチュエーション・ドラマという設定。
言葉の通り、1つのシチュエーションのみで、物語が展開されている。
本作はアンソニー・ホプキンス扮するアンソニーが認知症を患っているため、介護を受けている家でのみ、物語が展開される。
私の記憶が間違っていなければ、一度も、外の映像はなかった。

他にびっくりした点は演出方法である。
認知症を生々しく伝えるため、あえて、つじつまの合わない展開で描いている。
例えば前半、娘のアンが「結婚のためにパリに引っ越すの」と父親であるアンソニーに伝える。
日が変わって、次のシーンが描かれると、なぜか、娘がアンソニーの家にいる。
違和感を覚えたアンソニーは、娘にこう尋ねる。
「結婚のためにパリに行くんじゃないのか?」
対して「いや、そんなこと言ってないわ。何を言ってるの?」と答えるアン。
このように、随所につじつまの合わない展開を挟むことで、アンソニーの認知症の深刻さを描いている。

素晴らしい演出に思えるのだが、個人的にはあまり好みではなかった。
あくまで個人的な意見だが、私からしたら、かなり疲れる演出。
というのも、観客まで認知症になっているような錯覚に陥るため、どのシーンが真実で、どのシーンが虚実なのか分からない。
そのため、ストーリーが追いづらい仕様となっている。
正直、本作は、ストーリーはあってないようなものなのでどうでもいいかもしれない。
だが、さすがに分かりづらくてストレスが溜まってしまった。
物語としてはあまり楽しめなかった。

アンソニー・ホプキンスの演技自体は吹き替えで見たので、詳細は不明。
だが、認知症の深刻さは十分に伝わってくるため、印象深い映画ではある。

病気や体質に苦しむ主人公の苦悩を描いたおすすめ作品はコチラ。

■オアシス

■37セカンズ

ファーザーの作品情報

■監督:フローリアン・ゼレール
■出演者:アンソニー・ホプキンス
オリヴィア・コールマン
マーク・ゲイティス
イモージェン・プーツ
■Wikipedia:ファーザー
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):98%
AUDIENCE SCORE(観客):92%

ファーザーを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:○(有料)
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)○(Blu-ray)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:○(見放題)
※2021年11月現在

-⑤人生の節目

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。