映画の海

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⑤人生の節目

漫画『ルックバック』ネタバレなしの感想。小学生4年生の藤野と同級生で不登校の京本の漫画を描く女子2人を描く

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■評価:★★★★☆4

「創作者の葛藤」

【漫画】ルックバックのレビュー、批評、評価

『チェンソーマン』『ファイアパンチ』の藤本 タツキによる少年ジャンプ+にて、2021年に公開された青春ドラマ漫画。

小学4年生の藤野は学年新聞で4コマ漫画を毎週連載し、同級生や家族から絶賛されていた。ある日、教師から京本の漫画を掲載したいため、藤野の連載している内の1枠を譲って欲しいと告げられる。藤野は不登校児である京本を見下していたが、京本の画力は高く、掲載された京本の漫画は周囲の児童からも称賛され、比べて藤野の絵は普通だと掌を返すような反応をされる。藤野は屈辱を覚えながら絵の本格的な練習を開始する。友人・家族関係にも軋轢を生みながら重ねた研鑽の果てにも京本の画力には届かず、3年生の時から続けた連載を6年生の途中で辞めてとうとうペンを折ることになる。卒業式の日に教師から卒業証書を届けるよう頼まれた藤野は、この日、初めて京本と対面する。

本作はもともと、ジャンプ+のアプリで無料で配信されていた143Pから成る長編漫画。
公開当時から、世間の話題をさらっていた。
また、まだ風化していないと京都アニメーション放火殺人事件のモチーフとも思われるエピソードが作中に存在する。
こちらのエピソードで一部の読者がクレームを入れたらしく、急遽修正が入る、といったことも話題になった要因の1つである。

もともと本作は近いうちに読む予定だった。
読むきっかけのダメ押しとなったのが、毎年末に刊行される漫画ランキングのムック本『このマンガがすごい!2022年版 オトコ編』で『ルックバック』が一位を獲得したから。
なお、『このマンガがすごい!』にランキングすることでブレイクした作品は多い。
例えば『進撃の巨人』や、同著者の『チェンソーマン』がランキングし、ブレイクしている。
『このマンガがすごい!』の1位にランキングする作品は間違いなく面白いと信頼しているので、読んでみたが、やはり凄かった。

特に凄いと思ったのがキャラクターである。
まるで読者の心を完全にコントロールされているかのごとく、キャラクターの行動の1つ1つに感情が動かされる。
私も小説という媒体で物語を描いているので、藤本タツキの能力には感嘆してしまった。
その中でも特に印象的だったのが、クラスのみんなに「上手い」と持てはやされた主人公・藤野のもとに、流星の如く現れ、素晴らしい絵を描く、京本の4コマが描かれるシーン。
私も正直、「不登校児の漫画だから大したことないだろう」と軽く見ていた。
だが、実際の画力は、藤野と比べると、差が歴然である。
藤野のメンタルが傾いたのには納得できる、説得力のあるシーンである。

それと、藤野が京本の初対面シーンで、京本の見せるファースト・リアクションも印象に残った。
京本の行動があまりに想定外なので、一瞬、思考が止まってしまった。

他にもたくさんあるので、直接、確認して欲しい。
キャラクターの描き方が上手すぎて笑えてしまうレベル。
本当に藤本 タツキは、漫画や物語が好きなんだなあと痛感させられる。

本作のテーマである創作の姿勢について、本作の最後に作者なりの回答を示している。
私を含む、創作に身をゆだねた人間からしたら、強く後押しになる一作である。
創作に携わらない以外の人でも、本作を見て、元気づけられる人は多いのではないだろうか。
もし、小説の執筆などに心が折れそう担った場合、本作を見て、奮い立たせる薬にしたい。

また、まだ『ルックバック』は無料で読むことができるので、下記にリンクを貼っておく。

いずれ、未読の『チェンソーマン』を読む予定だった。
だが、本作のクオリティの高さに触れて、早めに読んでレビューを描きたいと思う。

ルックバックの作品情報

■著者:藤本タツキ
■Wikipedia:ルックバック(ネタバレあり)
■Amazon:製品版はこちら、無料公開版はこちら

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。