映画の海

約1100本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

⑥バディとの友情

映画『ミッドナイトスワン』ネタバレなしの感想。トランスジェンダーの女性と家庭内DVを受ける少女が出会う

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■評価:★★★★☆4

「トランスジェンダー」

【映画】ミッドナイトスワンのレビュー、批評、評価

『全裸監督』の監督も務めた内田英治監督による、2020年公開のドラマ映画。

故郷の広島を離れて東京・新宿で生きることを決断した凪沙。彼女は男性として生まれたが肉体の性別違和のため女性の姿で暮らしている。今にも崩れそうな自分を自分自身で支えさまよっている。ある日、親戚の娘・中学生の一果が彼女のもとに預けられることとなる。一果は親から虐待されてきたこともあり、当初は周囲に心を閉ざしていたが、凪沙の持っていたニューハーフショークラブの衣装(チュチュ)、そして近所のバレエ教室をのぞき見し先生から声を掛けられたことから、バレエ教室に興味を持つ。さらに、性転換手術のため貯金していた凪沙だったが、同居生活を続ける過程で、一果が実娘のように思える。

公開当時、ツイッターをはじめとするSNSの映画垢界隈で、非常に話題となっていた本作。
映画レビューサイト『Filmarks』が発表した2020年間映画満足度ランキング(邦画)では2位にランクイン。
(1位は劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン)

さらに、第44回 日本アカデミー賞では、最優秀作品賞を受賞している。
日本アカデミー賞のような日本のテレビが放送権を持つ賞なので、元ジャニーズの草彅剛が主演を務めた映画は、立場的に不利なのかな?って予測をしていた。
それでも受賞したというのだから驚きである。

これほど評価が高い物語なので、キャラクターやストーリーが素晴らしいんだろうな、と前々から興味があり、ようやく鑑賞できた。
やっぱり評判通り、何なら期待を超えるレベルで、心を揺さぶる作品だった。

二人のキャラクターが、何とも切ない設定である。
凪沙は、心が女性で体が男性のトランスジェンダー。
世間からは、心が女性なのに「男」とか言われたり、あるいは「バケモノ」なんていう心ない言葉に傷つく毎日を過ごしている。
一方で中学生の一果は、親から家庭内DVを受けている少女。
片親の母親は水商売をしており、いつも、酔っ払った母を帰宅させるため、店に向かいに行く生活を送っている。
想像しただけでも、気が狂いそうな境遇である。
この二人が疑似家族のような、親子の生活を送ることになる。

特に印象的だったのが、一果がバレエに通う流れである。
バレエは金が掛かるし、かといって、居候先の保護者である凪沙には頼みづらい。
そんな時、一果は撮影会で金を稼いでバレエに通いだすのだ。
仕事内容は、キモいカメラを持つオッサンに、制服など、いろんな格好をさせられてひたすら写真を撮られるもの。
この、女というものを武器にして金を稼ごうとする辺りが、凪沙の苦悩との対比に繋がってしまって、ひどく残酷に思えてしまった。

他にも、凪沙が一果と一緒に住むようになることで、二人が変化を遂げ、凪沙にとって喜ばしい出来事も起きる。
その都度、何だか泣けてくるのだ。
凪沙は本当に苦労の多い毎日を過ごしている。
だから、一果の存在のお陰で凪沙が報われるたび、彼女と一緒になって観客まで喜んでしまう。

あと、バレエの先生も良かった。
先生のキャラクターとしての精神性も素晴らしいが、役者としての演技やら雰囲気がただ者ではない。
よくよく調べたら、元宝塚のスターらしい。
異様な存在感に納得である。

とにかく見所の多い作品。
正直、ラストの流れは違和感があるし、実際に、トランスジェンダー協会からも指摘が入っているそう。
でも、物語としてはよく出来ているので、すべての人におすすめしたい。

孤立した同士の交流を描いたおすすめ作品はコチラ。

■オアシス

■はじまりのうた

ミッドナイトスワンの作品情報

■監督:内田英治
■出演者:草彅剛
服部樹咲
■Wikipedia:ミッドナイトスワン

ミッドナイトスワンを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(有料)
TSUTAYA TV:-
Netflix:-
※2021年12月現在

-⑥バディとの友情

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。