映画の海

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⑤人生の節目

漫画『銀河の死なない子供たちへ』ネタバレなしの感想。永遠の命を持つ二人の子供を描く

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■評価:★★★★☆4

「生と死」

【漫画】銀河の死なない子供たちへのレビュー、批評、評価

とうに人類が滅亡した星で、 ラップを口ずさむのが大好きな天真爛漫な姉・πと、 いつも読書をしている内向的な弟・マッキは、 永遠の命による終わらない日々を過ごしていた。 そんなある日、愛すべきものの終わりに直面した二人は……。

最近、ハマっている番組の一つに『マンガ沼』がある。
かまいたちの山内と、麒麟の川島のMCによるマンガを題材とした番組。
例えば、二人のおすすめマンガを紹介したり、二人が好きな作家を招いてインタビューをしたりする内容。
定期的にアメトーークで放送されるマンガ芸人が、毎週レギュラーで放送されているような番組である。

本作を読むきっかけは、川島の仲の良い小学館の女性編集者・金城さんをスタジオに招き、彼女のおすすめマンガの紹介の中に本作が含まれていた。

まず、設定が秀逸すぎる。
主人公は、永遠の命を持つ子供二人、姉のπ(パイ)と弟・マッキ。
同じく永遠の命を持つ母からは、ペットを飼うことを禁じられている。
なぜなら飼うと、必ず自分より先に命を落とすし、その度に悲しい気持ちになる。
パイやマッキの悲しい姿を見たくないがため、母はペット禁止のルールを設けたのだ。
そんな永遠の命を持つ二人を通して、生と死をテーマが語られる。

本当に素晴らしい設定である。
本来、貴重である命。
だが、我々にとって、命の大切さって分かりづらい。
なぜなら、平和な国、日本で生きる我々は、当たり前のように今日を生き、寝て起きたら、当たり前のように明日を迎える。
あまりに当たり前ように存在する命。
近すぎて、大切さを忘れがちである。
だからこそ、本作は、たった上下巻の2冊のみで展開される短い物語で、命の価値を再認識させてくれるのが素晴らしい。
長ったらしかったら、ここまで評価は高くなかったかもしれない。

印象的だったのが、わずか数コマで、何年もの経過を描いているところ。
特に序盤は、わずか数十ページで5~10年くらいの経過を描いている。
まるで、時間が過ぎることは何も感じない。
ライオンやクジラに食べられても、すぐに命は復活する。
パイとマッキにとって、時間や生、死は【無価値】であるということが描かれている。

そんな、何のために生きているか分からないパイとマッキが、とあるものと遭遇して、人生が一変する。
このとあるものについて、amazonなどのあらすじでは伏せられていたので、私も言及せずにいようと思う。
ぜひとも直接見て、二人の変化を楽しんで貰いたい。

意外と良かったのがミステリー要素である。
二人の母の存在。
母は何かを隠している様子。
どうやら、人類の滅亡について、母が何か知っている、あるいは何か関わりがありそうな匂わせもある。
などといった、物語としてのミステリー要素が良いエンジンとなって、物語に没入させてくれる。

デフォルメの強い画風で、ハードなテーマを描いているのも良いし、もはや欠点がないレベルである。

銀河の死なない子供たちへの作品情報

■著者:施川ユウキ
■Wikipedia:施川ユウキ
■Amazon:こちら

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。