映画の海

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⑤人生の節目

映画『すばらしき世界』ネタバレなしの感想。刑期を終えた元殺人犯を描く

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■評価:★★★☆☆3.5

「元受刑者の苦悩」

【映画】すばらしき世界のレビュー、批評、評価

『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』『永い言い訳』の西川美和監督による2021年公開のドラマ映画。
原作小説は、1990年6月26日に刊行された佐木隆三著『身分帳』。
『身分帳』は実在の人物をモデルに、13年の刑期を終え出所した元殺人犯の男の苦労と生きざまが描かれている。

冬の旭川刑務所でひとりの受刑者が刑期を終えた。刑務官に見送られてバスに乗ったその男、三上正夫は上京し、身元引受人の弁護士、庄司とその妻、敦子に迎えられる。その頃、テレビの制作会社を辞めたばかりで小説家を志す青年、津乃田のもとに、やり手のTVプロデューサー、吉澤から仕事の依頼が届いていた。取材対象は三上。吉澤は前科者の三上が心を入れ替えて社会に復帰し、生き別れた母親と涙ながらに再会するというストーリーを思い描き、感動のドキュメンタリー番組に仕立てたいと考えていた。生活が苦しい津乃田はその依頼を請け負う。しかし、この取材には大きな問題があった。三上はまぎれもない“元サツジン犯”なのだ。

本作は非常にツイッターやYOUTUBEなどのSNSで評判になっていたため、期待して鑑賞した。
内容としては、刑期を終えた元サツジン犯が、更正する過程での苦悩・葛藤を描く物語。
良い物語ではあったけど、思ったほど、心を揺さぶられるものはなかった。

まず、冒頭から情報量が多い。
メインとなるのは、主人公・三上の出所後の暮らし。
元受刑者といった理由で、実生活に戻ることの障害が大変そうなのである。
例えば、仕事。
三上は仲良くなった近所のスーパーの店長に車を使った仕事を紹介される。
だが、刑務所にいたため、免許が更新できず免許停止になっている。
事情を話しても、公的機関のため、取り合ってはくれず、仕方なく、一発合格を狙って自動車免許の試験を受ける。
だが、ぜんぜん上手くいかないのだ。

さらに、三上は収監中にもう一つ、行動を起こしている。
TV局のプロデューサーに、母の捜索を依頼していたのだ。
だが、プロデューサーは三上自身に興味を持ち、母の捜索よりも、犯罪者が実生活に戻って一人前になる課程をエンタメとして撮影しようとする。

このように、多くの人の思惑が交差したり、三上の過去だったり、冒頭から多くの情報が大量に流れ込んでくるため、若干、物語に入り込むのに時間がかかった。
内容自体はシンプルな物語なので、置いてきぼりになることはなかった。
だが、ちょっと情報過多な印象。

あと、三上に異様に手助けしようとする人間たちにも違和感を覚える。
例えば、スーパーの店長とか。
確かに、店長自身の先入観により、一度、三上に迷惑をかけてしまった経緯はある。
でもだからといって仕事を紹介したり、生活保護についてアドバイスをしたり、そこまで他人に介入するだろうか?
あとは大家さんも、やけに三上が仕事が決まった際に開いたパーティに参加していたりと、あまり理解できる行動ではなかった。

ただ、本当に、出所後って大変なんだなと実感させられる。
出所後、ちゃんと仕事をして、生活できる環境を準備してあげないと、また犯罪に手を染めてしまうのは仕方ないと思える。
三上の大変さを、かなり緻密に描いているので、さすがは、評価されている監督だなあと実感した。

贖罪の苦悩が描かれる作品のおすすめはコチラ。
■ザ・ピーナッツバター・ファルコン

■聖なる鹿殺し

すばらしき世界の作品情報

■監督:西川美和
■出演者:役所広司
仲野太賀
六角精児
北村有起哉
白竜
キムラ緑子
長澤まさみ
安田成美
梶芽衣子
橋爪功
■Wikipedia:身分帳(すばらしき世界)

すばらしき世界を見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(有料)○(Blu-ray)
TSUTAYA TV:○(有料)
Netflix:-
※2022年1月現在

-⑤人生の節目

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。