映画の海

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⑩スーパーヒーロー

映画『ただ悪より救いたまえ』ネタバレなしの感想。暴走する暗殺者と凶暴な殺し屋が衝突する

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■評価:★★★★☆4

「悪役VS悪役」

【映画】ただ悪より救いたまえのレビュー、批評、評価

『新しき世界』『国際市場で逢いましょう』『工作 黒金星と呼ばれた男』のファン・ジョンミン主演、『イカゲーム』イ・ジョンジェ出演による 2021年公開のノワール・バイオレンス映画。

暗殺者のインナムは東京のヤクザであるコレエダを殺害することに成功する。しばし引退生活を送っていたインナムだったが、ある時元恋人がタイのバンコクで殺害され、別れた後に生まれたインナムとの娘が行方不明だと知らされる。インナムはバンコクに渡るが、かの地にコレエダの凶暴な弟分であるレイも出現。インナムは娘の奪還だけでなく、報復のため襲いかかってくるレイとの対決も強いられることになる。

アクション・バイオレンス映画やバトル漫画で最も熱くなるシーンといえば、いくつかがパッと頭に思い浮かぶ。
仲間がピンチのときに、主人公が颯爽と現れて敵を一掃するシーン。
あるいは、主人公が悪役に追い込まれてピンチのときに覚醒。その後、一瞬で叩きのめすシーンもある。
様々なパターンがあるが、私が特に好きなシーンの1つは、悪役VS悪役。(あるいは強敵VS強敵)

例えば、私の好きな漫画に『闇金ウシジマくん』がある。
闇金を経営するウシジマは、支払いのできない債務者を山の木に括り付けて蜜をたっぷりと体に塗りたくって捨てたり、極悪非道な所業を繰り返す男。
一方で、『闇金ウシジマくん』に出てくる、インパクトの強烈な悪役に肉蝮というキャラがいる。
金づるになりそうなやつを見つけたら、徹底的に金をむしり、時には熱湯をかけたり、といった壮絶な拷問を行う救いようのない悪。

私が『闇金ウシジマくん』で最も熱くなったシーンの一つは、ウシジマくんと肉蝮がぶつかり合うシーンである。
ほかにも漫画『HUNTER×HUNTER』など、悪役VS悪役の構図で描かれる名シーンは多い。

本作は、まさに悪役VS悪役をテーマとしている。
しかも悪役のキャラが魅力的。
主人公インナムは暗殺者。
音を消してターゲットに近づき、首を絞めて命を奪う。
涼しい顔ではなく、顔をゆがませて、一生懸命に首を絞めるのだ。
やってることは冷徹ながらも、感情豊かな表情が、どこか人間味を感じさせてくれる。

一方で、敵となる殺し屋レイは、冷徹の極みである。
過去に父からブタなどの家畜を解体する仕事を手伝わされたと申告する彼は、ターゲットの人間を捕らえると、逆さに吊し上げ、家畜のように躊躇なく分解する
こんな悪人同士がぶつかり合うのだから、観客としてはワクワクが止まらない。

本作で特に印象的だったのが敵となる男レイを、2021年に世界中で人気を博したnetflix配信のデス・ゲーム・ドラマ『イカゲーム』の主人公の俳優イ・ジョンジェが演じている。
イ・ジョンジェは垂れ気味の瞼が印象的の、優しそうな俳優である。
そんな俳優が殺し屋なんてやるのだから、どうなるんだろう?と、鑑賞前は、別の意味での期待感があった。

スクリーンに登場したばかりは、やはり『イカゲーム』の印象が強いので、違和感が強かった。
観ている内に、印象はすっかりと恐怖へとすり替わっていった。
人の命を奪うことに何の躊躇もない無感情なイ・ジョンジェは、主人公インナムをチェイスし続ける。
まるでマシーンのような無骨感がたまらない。
中盤以降は、イ・ジョンジェが出てくるだけでドキドキさせてくれる。

久しぶりに見ごたえのある映画と出会った印象。

理解・共感しがたい、ぶっ飛んだ主人公のおすすめ作品はコチラ。

■宮本から君へ

■イントゥ・ザ・ワイルド

■悪魔を見た

■フリーソロ

■アンダー・ユア・ベッド

ただ悪より救いたまえの作品情報

■監督:ホン・ウォンチャン
■出演者:ファン・ジョンミン
イ・ジョンジェ
パク・ジョンミン
■Wikipedia:ただ悪より救いたまえ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):94%
AUDIENCE SCORE(観客):76%

ただ悪より救いたまえを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:○(有料)
Amazonプライムビデオ:○(吹替・有料)○(字幕・有料)○(Blu-ray)
Netflix:-
※2022年5月現在

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名前:柴田
年齢:30代
小説家志望。
趣味は映画、読書、ゲーム(最近はスプラトゥーン2)、お笑い、筋トレなど。
長所は人を楽しませることに一生懸命、短所は顔が丸い。