■評価:★★★☆☆3
「ゴーストは怖い、科学は最強」
【映画】ゴーストバスターズ/アフターライフのレビュー、批評、評価
『サンキュー・スモーキング』『JUNO/ジュノ』『マイレージ、マイライフ』『ゴーストバスターズ/アフターライフ』のジェイソン・ライトマン監督による2022年2月4日公開のコメディ映画。
【あらすじ】母と兄3人に連れられ、田舎町の農家に引っ越すことになった少女。そこでは、原因不明の地震が30年間にわたり毎日続いていた。あるきっかけで、彼女は床下で見つけた「ゴーストトラップ」と呼ばれる装置を開封してしまう。すると不気味な光が解き放たれ、街で異変が起こり始める。
やけに客観視し、達観した小生意気な学生ってたまに見かける。
同級生にもそんな奴はいたし、大人びた態度がどこか馴染み、づらかった印象がある。
2008年に日本で公開されたアメリカ映画『JUNO』はそんな大人びた女子高校生ジュノがちょっとした好奇心で、同級生の男子と一晩を共にする。
妊娠してしまい、なんと産むことを決意する。
割と現実的で冷静な思考を持つジュノよりも、両親など周りの大人たちのほうが、ジュノの決断を含む言動にあたふたする姿が面白いコメディードラマ。
ジュノを始めとする登場人物が魅力的で、思わずBlu-rayまで購入してしまった作品。
スーパー低予算なのにアカデミー賞の脚本賞も受賞する名作。
以降、『JUNO』を監督したジェイソン・ライトマンの作品は意識的に追いかけている。
余談だが、『JUNO』の脚本を手掛けた、元夜のお店出身の女性ディアブロ・コーディの作家性も素晴らしく、何度か二人はコンビで映画制作している。
私は『ゴーストバスターシリーズ』は世代ではなく、一度も観たことないが、ジェイソン・ライトマン作品のため、鑑賞に至った。
色々あって経済的に厳しくなった主人公一家は、亡くなった祖父の家にのある田舎町に引っ越すことになる。
泥じいさんと呼ばれ、近所の人からは煙たがれてた祖父の家はお化け屋敷のようにオンボロ。
好奇心旺盛で、科学が大好きな主人公の長女は家を探索していると、どうやら祖父はかつてゴースト退治を行っていた化学者チーム、ゴーストバスターズの元一員である事実に気づく。
相変わらず、キャラの魅力が爆発している。
本作は『JUNO』の脚本を手掛けたディアブロ・コーディは関わっていないため、やや不安だった。
ところが、どっこい。
個性豊かなキャラたちの軽口の応酬が面白くて、ついつい笑わさせられる。
あまりに意表をつくフリとオチの連続に、執筆の参考になればと、たくさんメモさせられた。
本当にコメディ描写が多いので、脚本家はかなりの時間をセリフ作りに割いたと思われる。
特に主人公の少女は、良かった。
ジュノのような達観少女なので、一番頼りになる。
周りが感情表現豊かなキャラが多いので、主人公の一歩引いた感じにシュール感が生まれてアクセントになっている。
何なら主人公の母や、主人公の通う学校の先生が弄られ対象になっているので、立場関係がジュノを彷彿とさせて面白い。
ただ、本作の魅力はキャラの面白さくらい。
ストーリーは微妙だった。
クライマックスに向けて、まるで世界が破滅するようなとんでもないスケール感のピンチに陥る。
何でそこまで酷くなるかがイマイチ良く分からなかった。
危機的現象が発生する理由も描かれているのだが、ピンと来なかった。
また世界を守るため、祖父一人で頑張っていたみたいだが、普通に色んな人に協力を求めたら良いと思う。
なぜ単騎で世界平和を守る流れになるのかの意味が分からない。
全体的に変なシナリオだった。
というか、タイトルにもなっている肝心のゴーストも強さも欠ける。
強さはあるんだろうけど、もっと観客に恐怖を植え付けるような分かりやすいシーンをたくさん作ってほしかった。
ファミリー向けの映画っぽいので、ハードは演出は出来なかったのかもしれないが。
とにかく不完全燃焼な鑑賞後感。
キャラ造形をユニークにすることだけに力が注がれた印象の平凡な作品だった。
たくさん笑わせてくれるコメディ演出が優れたおすすめ作品はこちら。
■ブラッシュアップライフ
ゴーストバスターズ/アフターライフの作品情報
■監督:ジェイソン・ライトマン
■出演者:キャリー・クーン
フィン・ウルフハード
マッケナ・グレイス
ポール・ラッド
ビル・マーレイ
ダン・エイクロイド
アーニー・ハドソン
アニー・ポッツ
シガニー・ウィーバー
■Wikipedia:ゴーストバスターズ/アフターライフ
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):64%
AUDIENCE SCORE(観客):94%
ゴーストバスターズ/アフターライフを見れる配信サイト
U-NEXT:○(有料)
Hulu:○(有料)
Amazonプライムビデオ:○(有料)、○(Blu-ray)
Netflix:-
※2024年7月現在
コメント